自民党は14日、立憲民主党など野党が求めた臨時国会の召集を改めて拒否した。立憲、共産、国民民主、社民の4党は今週中にも党首会談を開き、憲法53条に基づく召集要求に踏み切る方針だ。

 この日は、自民の森山裕、立憲の安住淳両国会対策委員長が国会内で会談。安住氏は野党4党の総意として、東京五輪・パラリンピック前の国会召集を改めて要求した。

 新型コロナウイルス対策や五輪関連の情報開示を求め、不測の事態に対応する狙いがあったが、森山氏は「コロナ対応をまずしっかりやらないといけないし、来年の予算編成も始まる。臨時国会を開くことは少し無理がある」と応じない考えを示した。

 安住氏は会談後、「五輪で何が起きるか分からないから、来週から国会を始めた方がいいと申し上げたが、なかなか(森山氏と話が)かみ合わなかった」と記者団に語った。

 野党側は15日の参院内閣委員会での閉会中審査の後、党首会談を行い、憲法にもとづく召集要求を行う。憲法53条では、衆参両院いずれかの総議員の4分の1以上の求めがあれば、内閣は臨時国会を召集しなければならないと定めている。2017年6月にも野党がこの規定で召集要求をしたが、森友・加計学園問題で追及を受けていた当時の安倍晋三内閣は約3カ月間応じず、9月に開いた臨時国会の冒頭で衆院を解散したことがある。安住氏は菅内閣の対応について、「(要求後に)内閣がどう判断するかだが、応じない可能性は高い」との見方を示した。

朝日新聞デジタル

今更なのかもしれませんが、これでは現内閣もまた、安倍政権に続いて憲法違反内閣になってしまいます。憲法53条では明確に「内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない」と記されているが、菅内閣はこれを完全に無視する態度で応じました。私は自著『スマホ・SNS時代の多事争論 令和日本のゆくえ』で何度も訴えてきましたが、法律のほぼ全部は「国家が国民に守らせることで社会の秩序を守るため」に存在しますが、日本国憲法だけは「国家権力が国民に対して、守ってみせるため」の法律の筈です。ここで憲法を警視無視し、臨時国会召集に応じないということは、菅内閣は、憲法を無視してまで五輪を決行し、その結果国民に何が起きても責任を取らない姿勢が高い。西村発言と合わせると、自民党は既に、五輪の利益を得るために、国民を見捨てたとも言えます。

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確かに新型コロナウィルス対策での、ワクチン接種の加速化等、政府が努力をしている部分もあるでしょう。
保守政権支持層がアナウンスする「今はもうワクチンのターンだから、感染者数で新型コロナ問題を語るのではなく、重傷者の減少で評価すべきだ」という意見にも一理あるとは思います。
しかし、だからこそ、世界的イベントを開く主催国としては、日本のワクチン接種率の低さは、国家が国民を守ろうというのにはいささか無理筋的です。

結果、西村・菅ラインの合意指示が露呈したことから逃げ切るために臨時国会を逃げおおせようとする安倍政権は、「暴言担当大臣」ともいうべき麻生太郎財務・金融担当相の、国民軽視、マスコミへの嫌がらせ的暴言トーンの切れ味は、今回も鋭かったのです。

飲食店での酒類提供に関し西村経済再生担当相が“金融機関への働きかけ”発言が波紋を広げる中、麻生太郎財務・金融担当相が13日の閣議後会見で、記者団と応酬を繰り広げた。

記者:内閣官房と国税庁が8日、酒類の提供を続ける飲食店を把握した場合、酒類の業界団体に取引停止を依頼したことに業者からは困惑の声上がっているが、どのような法的根拠があるのか。

麻生大臣:国税庁の法的根拠の話ね。基本的にないと思いますけどね。従って今回のはあくまでも国の方から酒類販売の事業者に対しての一般的なお願いであって、強制力を伴うものではないことははっきりしているんじゃない?法律にそう書いてない?読んだことない?そうだろうね、飲むばっかりだろう。そりゃ無理だ。国税庁から酒類販売事業者に対して、その趣旨で引き続き丁寧に説明してご理解を頂いた上で、ご協力をお願いするということなんじゃないの?僕はそういう具合に理解していますけど。

記者:西村大臣が酒類提供に応じない飲食店に対して、金融機関から順守の働きかけを求め、それを撤回した。金融庁を使って圧力をかける手法について、金融庁を所管する大臣として、どう受け止めるのか。

麻生大臣:私がG20に出席するため海外出張中の出来事でしたかね。西村さんのことは本来の趣旨を伝えることが十分できていないんじゃないのかなと思うが、特定の飲食店に対して融資を制限するという趣旨は全くなくて、金融機関は多くの事業者と接点がありますから、そこに対して飲食店に限らず広く取引先に一般的な感染対策を呼びかけるというのが元々の趣旨だったと思う。ただ、金融機関の優越的な地位の濫用ではないかとういう新聞のご指摘もあったことから、金融機関への働きかけは行わないことにしたということなんだろ?これ。

少なくともこれは発令をする前の話で、私どもとしては金融機関に対してはこれまでも何回かにわたって、私の方からも直接、融資等に関しては飲食店を含む事業者の立場に立って迅速かつ柔軟な対応で支援を行うことを要請してきたところですから、その方針に変わりがあるわけでないし、感染症の影響が長期化する中なので、より多くの業者が窮地に立たされるということになり得るので、金融機関には引き続き事業者の資金繰りの対応に万全を期してもらいたいということに変わりはない。

記者:この一連の要請の撤回は麻生大臣は把握されていなかった?

麻生大臣:内閣官房の方から金融庁を含め関係省庁に対する調整のお願いが行われたんでしょうけど、イタリア時間の7月8日ですから日本時間の9日ということになりますかね、金融庁の秘書官の方から“金融機関への働きかけについて検討中なんだ”という途中段階の報告は受けていた。何か違うんじゃねえの、放っておけと。言っている意味がよく分からんから、放っておけばいいんだと。こっちは融資して下さいと言っているのに、融資を止めろと言う話だろ?普通に考えたらおかしいだろ。だから放っておけと言いました。こっちも夕食会で話さなければいけない、その直前なので。そうしたら秘書官が“はい”って言って対応してくれて。その後の9日でしたかね、午後になって、働きかけを行わないことになったということで事後的に報告を受けた。時差があるから、時系列でいうとそういうことになる。

記者:法的根拠がない“依頼”ということだが、酒の販売事業者からは「長年の信用関係に関わることだ」などと当惑の声、あるいは飲食店からは不満の声。国民の信頼を得るという点では、逆行する動きだったのではないかという指摘もあるが。

麻生大臣:商売したことある、あんた?自分で商売したことある家?ただのサラリーマンしかやったことない?

記者:私はサラリーマンしかしていない。

麻生大臣:自宅は?

記者:自営業をやっている。

麻生大臣:商売したことがある家ならだいたい分かるんだけど、商売したことがない人だとあんま分からないんだ、こういうのは。俺はいつもそう思って。こっちは商売やったところから来ているから。酒屋さん同士の場合は金融業者とは違うからね、卸先はいっぱいあるわけだから、買う方だって、どこから買ったっていいんだから。そういう時に、一つだけ締めますとか、やめますとか言われても、他のところに替えりゃいいだけのことだから。別にそういうようなもんなんじゃないの?商売というのは。別にテレ朝なんか見なくてもいいんだから、他のを見りゃいいんだから。選択があるわけよ、だろ?でも金融業者の場合、何々信用組合しか付き合いがない、というところへいきなりそう言われたら、そりゃしんどいよ。地位の優越的利用だとか言われる可能性は十分にあるわな。

しかし酒屋さんの方はどこの仲卸から買おうと、そんなもの別に、ということになるから。こんなものは強制力を持つはずもないから、いやうちが締めると言ったって、他のところから卸されたら、うちは商売あがっちゃいますよ、ということになる。普通の商売人だったら、そう考えるのが普通なんじゃないの?だからそう思ったから、あそこはやってる、うちは真面目にやってるからって、公平にやった方がいいのはそりゃ間違いないけど、人間はなかなかそうばっかりはいかないからね。

新しく得た情報は一斉に流すから7時まで待ってくださいって言われてテレ朝だけ6時50分にやる、よくあるじゃん、そう言う話が。その程度のもんだよね。おたくらの拘束力だって。ここだってもっとたぶん緩いよ、そういう意味では。あそこの店に卸さなくなったらしいね、って、別の奴がぱっと行って、そっちが持っていくなんて話がたぶんよくある世界なんだと思うね、こういう仕事をしているところでは。

そうもんだと思うから、そういった意味で、国として地方創生の時は確か臨時交付金で対応したのをやっていますけど、その時に酒類業者に対応するにあたっては丁寧に配慮しておかないと、一番影響受けているところかもしれんからねという話をしたような記憶もあるので、関係省庁ともしっかり連絡しながら、支えていかないといけないといけない、そう思いますけどね。

記者:酒はどこからでも仕入れることができるということは、他からも仕入れられるし、卸売業者からしてみれば長年の取引先を失うことになる。対策として実効性はどうなのか、というのは。

麻生大臣:酒類販売の団体に対して官房とか国税庁の方からお願いされたということだと思うが、だって拘束力ないんだから、酒類業界に対してみんな公平にやって下さいという協力をお願いするんであって、取引先との関係って混乱しますからね、業者としては対応するとは言うだろうけど、個別の業者は団体と違ってそういくかね?常識的に考えて、うちの団体から言われているけど、俺は長い間の付き合いがあるからそうはいかねえということになるだろうから、すべての業者に一律的に強制的にお願いできるという趣旨の話ではないのではないかと思いますけどね。

記者:金融機関への働きかけの方針をめぐっては、内閣官房が財務省、金融庁、経産省に対して協力を求めるような文書を出していることが判明している。“政府ぐるみ”だったのではないかとの批判も出ている。

麻生大臣:この種の話は閣僚とか最終判断するところに上がる前に、課長や課長補佐の段階で他省庁と根回しするだろう。事前の打ち合わせの事前のやつ、やってますからね。新聞記者よりもすり合わせするの。おたくらは書いた後で直すことあるけど、うちはそういうことはあまりしないようにしているから。そういう意味では、きちんとしたやり方をするために、上に上がる前に止めるなんてよくありますから、それを全体でやっていたと作り上げたいんだろうけど、共同通信の発想として、事前の打ち合わせはどの役所も事前の事前の打ち合わせはしているので、常にそうしている。基本的にやっている。言っておきますけど、課長に上がる前、局長に行く、大臣にくる前の前の前の段階でこれやるけどどうかなと根回ししたり聞いて回ったり、よくあること。それが政府全体でという認識は全くないですな。

ABEMA NEWS

麻生氏は、一年前の国民一律10万円給付金政策の時も「カネが欲しい奴は手をあげろ」という、国民を愚弄する暴言を発していますが、私には麻生氏は、自民党上層部の中で「そういうポジショントークをする役割」にも思えます。
麻生氏の嫌味に脊髄反社で批判をするよりも、憲法を軽視し、五輪を決行しようとする自民党政権そのものに、私達は監視の目をさらに厳しく投じ、この夏の悲喜こもごもを、次の国政選挙の結果に反映させるべきではないでしょうか。
さて、今日の多事争論はそんなところです。

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