――僕は一度、小林ゆうさんと、単独朗読劇の企画と脚本でご一緒した事ありましたけど、小林さんも「素敵な変な人」でしたね(笑)
山城 そうだったんですか!
――その時に、僕は今の山城さんぐらいの、キャリアや新人の声優さんを集めた集団朗読劇を演出したんですが、その時に某声優専門学校でオーディションをおこなったんです。まず大きな部屋に40人ぐらい生徒さんが集められてね。その後別室で、5人単位ぐらいで台詞読みとかで選ぶんですけど。山城さんはそういうオーディションに参加した経験はありますか?
山城 あります。まさしくそれぐらいの声優が集まって、その中から選ばれるという。まずきちんと挨拶して、扉を開いて……。
――一つ言ってもいいですか? 選ぶ側、意外と「そこ」は、見てません!
山城 えぇっ(笑)
――まぁ企業の就職面接とかでもそうだけど「出来て当たり前」ですからね、そこ(挨拶やマナー)は。むしろ、それだけの候補者の中から、どこまでイメージに沿った声優さんを選び出すかという話なんです。オーディションを受ける声優さんにしてみれば、ある意味「運」なんです。
山城 運は左右されますね。
――たとえば、今回のインタビューにしたって、僕は平松広和さんのことは、『重戦機エルガイム』(1984年)の頃から尊敬しているし、(株)ガジェットリンクさんにも、今回は本当にお世話になっているけれど。でも、じゃあ今御社で一番売り出したい声優は誰ですかという営業のかけ方をしたら、違う子を勧められていたかもしれない。でも、そうじゃない、と。僕は今までこの『シネトーク』で「映画人群像の過去の偉人」をお迎えしてきたけれども、何度も言うけど今回は「未来の映画界」を担う声優さんをお迎えしたいと思ったんです。その中で、僕は自分の審美眼で山城さんだと確信したからこそ、こうしてお呼びしているわけで、僕も伊達に35年間、映像とか声優さんの業界とかを見てきてないんだよねって言える程度の自負はあるんですよね。だからこそ、多分、きっとそのうち山城さんは、僕なんかを相手にするようなところよりも、もっと高見の位置に登るんだという前提を受け入れますんで(笑) 今のうちに山城さんのマイビジョンを、是非お聞きしておきたいんです。
山城 そうですね。色々ありますけど、私の中のビジョンとしては、プリキュアっていうところは絶対通るけど、ピンクかイエローのどっちか私は(担当声優は)するつもりです。もしかしたらマスコットの可能性もありますけど、おそらくピンクかイエローのどっちか! 後はディズニーに関しては、最初に好きと言ったように、ディズニーからも毎年のように新しいプリンセスが生まれてきていて、でも、それこそオーディションがあれば私も受けたかったなと思ったきっかけが『モアナと伝説の海』(2016年)っていう作品だったんです。その作品で、ヒロイン・モアナの声の吹き替えをされている声優さんが、沖縄の方(屋比久知奈)だったりするので、私でもできたかもしれないじゃんっていうところから、ディズニーも今までちょっと遠いように感じていた世界が「視野に入るかもしれない」っていう、自分の中で夢っていうよりも、ビジョンの一つとして見えてきてる物になってきました。もちろんディズニーで一番の目標は、プリンセスになることではあるんですけども、ディズニーの作品に出られるっていう事だけでも、すごく光栄だし、それだけで名を売るには十分なきっかけとかになると思っています。そういうところだと「ディズニーが好き」っていうのは、映画だけじゃなくて、ディズニーチャンネルの作品も結構私見ていて、今後ディズニーチャンネルだけの「今ある作品」のプリンセスの中で映画化されるならどれだろうだったりとか、今これが流行ってるからじゃあ今度はこういうプリンセスが出るんじゃないのかなっていうところも予想しつつ、次の作品(のプリンセス)は私がやるからなって勢いでやってますね。
次回「山城リアンインタビュー目指せテッペン最終回『紅白歌合戦』と『皆の“推し”になれるような』と」
取材協力 (株)ガジェットリンク
声優 山城リアン