というか、この辺は少し興ざめしてしまうのであるが、アニメのメカのフィギュア化であればともかく、実写で着ぐるみが元になっているフィギュアやプラモに、元の着ぐるみ以上の可動ポテンシャルを付与するということに対しては、反対はしないが大河さん自身の考えとしては消極的である。
むしろガンプラでも、RX-78のガンダムが「SEEDポーズ」を取れる必要があるのかと疑問符がある。
玩具に固いこといいっこなしとは思いはすれど、実写にせよアニメにせよ、忠実に再現が100%出来ているのであれば、それ以上のポテンシャルは付加価値と喜べるのだけれども、「あえて」文句を付けるならば、映像作品『太陽戦隊サンバルカン』(1981年)に登場するサンバルカンロボは、変形合体のミニチュアはこのプロポーションで良いのかもしれないが、実際に可動アクションする着ぐるみとは、程遠い体形やバランスで成り立っていて、最初から(最近アート・ストームなるメーカーが出した、Action Toys 特撮合金シリーズの大鉄人17のように)着ぐるみ再現で作られていない限り可動アクションに意味はなく、本編撮影ですら、着ぐるみとミニチュアで分け合っていた変形合体とアクションを、一つのアイテムで両立させること自体が、そもそも論として不条理であるし「やりすぎ」なのだ。
あえて贅沢をいわせてもらえば、この合体変形版はそのままに、むしろコレはコレでいっさい関節は可動しなくていいので、無変形・合体無の「着ぐるみ再現フルアクションバージョン」を、別個に発売してくれれば、当時者としてはおおいに大満足だったのだが、さすがにバンダイも、40年前の戦隊ロボに、そこまでリソースが裂けない(というか、このシリーズの歴代戦隊ロボがオールインワンコンセプトである)というのが現実だったりする。
「そういう意味」では、まさに放映当時の300円キットのベストメカコレクション版が、青一色の成型色で接着必須なのだけれども、プロポーションという点では、着ぐるみ版に一番近い仕上がりなのだという事実は、当時も今も変わらないのだ。
ことガンプラに関して言えば、この連載での、MiddleEdge時代の連載での、放映当時のゼータガンダム1/144キットではないが、「アニメのデザイン通りに仕上げたら、関節を仕込んでいるのに、完成したキットは全くポーズがとれない」というようなことに悩まされ続け今があるので、「その両立」はバンダイの「超えなければいけないハードル」なのだろう。
しかし、筆者的にはコレで、逆に「着ぐるみプロポーションでアクションフィギュアのサンバルカンロボやバイオロボ」との出会いが遠のいたとは言えるわけで、痛し痒しであったのかもしれない。
さて、サンバルカンロボの解説に戻ろう。
用意されているオプションは、極めて劇中準拠でオーソドックス。
太陽剣、バルトンファ、回転シールド、バルハンド、左右の開き手首が揃っている。