歴代バンダイウルトラヒーローシリーズのウルトラセブン 左から現行BIG、旧サイズST、現行ST

ここでもセブンのソフビは大中小と3種類用意されているが、大事なのは、実はこの三つ、中サイズの旧バンダイウルトラヒーローシリーズを挟んで大と小は今現在の現役シリーズであり、特にメインとなる写真一番右のソフビは、バンダイが80年代や90年代の『栄光のウルトラ戦士セット』などで販売していたミニソフビではないということ。ここも理由があるのだが、そこも解説していこう。
まず、時代的に真ん中の中サイズは、これぞ30年ファンが親しんだ、旧バンダイウルトラヒーローシリーズのウルトラセブンであり、全長が約17㎝。今回用意した物は、2000年にリニューアル造形された物だが、最後まで800円で売られていた伝統のソフビである。
旧ポピーの第二世代STサイズ基準であることが、二つがほぼ同じ大きさであることではっきり分かる。

旧バンダイSTサイズ(左)の大きさは、旧ポピーのキングザウルス(右)から始まった

その右の小サイズが、今現在バンダイがメインで展開しているウルトラヒーローシリーズの新時代STサイズであり、歴代サイズでいうと、あきらかにミニサイズ。さすがにマルブルやポピーのミニサイズよりは若干大きいが13㎝。これが令和のウルトラヒーローソフビのスタンダードサイズになる。なんとも時代は残酷な物である。

時代を越えて。キングザウルスのミニ(左)やマルブルのミニ(中)とほぼ同じサイズなのがバンダイ現行ST(右)

筆者が子どもの頃は、怪獣やヒーローのソフビは、子どもの体格との対比からして、両手で抱きかかえてそのボリュームに夢を馳せたものだが、どうやら現代では小さくコンパクトに、コレクションするアイテムとなっているらしい

筆者の幼少時。抱いているのはブルマァクのゴジラ、アギラ、ガルバンのSTサイズ

一番左の大サイズは、ウルトラBIGソフビシリーズのウルトラセブンである、さすがに上記したように、怪獣ソフビはそれなりに大きくてボリュームがある商品も必要だということで、ウルトラ怪獣ソフビはDX枠を、ヒーローシリーズはBIG枠を設置して、商品バリエーションを展開している。ウルトラ怪獣ソフビシリーズのDX枠は、いわゆる旧バンダイウルトラ怪獣シリーズと同じ大きさで、過去のシリーズでは出さなかった怪獣を中心に展開しているが、ウルトラヒーローとなると昭和のメジャーどころは特に、旧シリーズと被ってしまうため、サイズを23㎝のマルブルSTサイズと同じにして、セブンは2017年3月に2000円で発売された。

マルブルの(小)(左)と、現行バンダイのBIG(右)がほぼ同じサイズ

玩具としての基準やリアリズム、プロポーション等が異なるが、頭頂部までの高さはほぼ一緒。頭部のボリュームはマルブルのSTサイズ。等身の高さはバンダイBIGが勝っているように見える。
ちなみに、マルブルの怪獣・宇宙人ソフビのSTサイズも、マルブルセブンを基準に作られているので、マルブル宇宙人ソフビは、現行バンダイBIGソフビと同じサイズだということになる。

改めて。真ん中にマルブルのプラチク星人STを挟んで、サイズを比較してみる

ここまでで、歴代各メーカーのソフビのサイズ規格に関して、このような対比が出来ると思う。

大サイズ ブルマァク(大)=ポピーウルトラマンビッグシリーズ
マルブルSTサイズ ブルマァク(小)=現行バンダイBIGソフビ
新STサイズ キングザウルスシリーズ=旧バンダイウルトラヒーローシリーズ
令和STサイズ ブルマァクミニ=ポピーキングザウルスシリーズミニ=現行ウルトラヒーローシリーズ

これは、今回の連載の基礎教養になるので、是非予備知識として頭に入れておいてほしい。
各メーカー、基本三種類のセブンを出している前提で、それらの大中小の対比が、メーカーが異なると規格がズレるということ。
各セブンの造形は、例えばマルブルセブン(大)のリアリズムに関しては、前回の徹底解析で当時としては驚くべきリアリティであることには言及したし、2000年代以降のバンダイの造形が、一つの子ども向けマスプロフィギュアにおける「セブン造形の完成形」であることには異論はない。
今の目で見れば、アメリカ市場を目指して独特の造形になった、ポピーのキングザウルスシリーズ版のセブンも味わいがある。
改めて、既に手放したポピーのウルトラマンビッグシリーズを合成挿入した、各年代メーカー別の対比写真はこのようになる。

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