筆者の原稿の1ページ目、2ページ目の見開き。
3ページ目、4ページ目の見開き

え……。ちょっと待って。
文章も挿入画像も、デザイナーさんが頑張って作ってくれた解説図も完璧で良い出来なんだけど、この手の記事に必須の「誰が書いたのかの署名」が、タイトル部分にも文末にも、どこにもなく、ただ「スパロボマスター」としてしか紹介されていない。肝心の、筆者名がかかれていない!
これはなに? マイルドなイジメですか? それともM橋氏痛恨のミスですか? それとも、今回から『このゲームがすごい!』は、ライター名を出さないとか、そういう斬新な方針に転換したんでしょうか?

まず確認すると、他の記事では普通に水玉蛍之丞爆笑問題玉袋筋太郎、我孫子武丸、鈴木みそ、カーツ佐藤餅月あんこ、寺島令子スタパ斉藤、と、群雄割拠のメンバーの名前と共に、有象無象のライターも全員署名原稿になっていて、僕も決してイジメにあっていなかったことは、冒頭の目次欄ではちゃんと名前が書かれてる事からも分かる。

えっと……つまり……要するに……ミス? M橋氏のミス?
人をスパロボマスターなどという謎の存在にでっち上げておいて、完成原稿のページでは筆者の名前を記載しない、割付の致命的ミスですかぁあああ!?
っていうか、無記名原稿のせいで、めっちゃ怪しい雰囲気満載の素敵記事になってしまっとるやないかい!
記事自体はまぁマイペースで、スパロボマニアに向けた、未プレイ勢にも向けた記事には仕上がっているとは思うのでそれはいいんだけど……無記名……。

ちょっと怒り心頭の僕は、速攻でM橋氏に電話を入れた。
俺ァもう二度と、スパロボマスターなんて名前は名乗らねぇからな! 今回は仕方ないけれど、次回の『このゲームがすごい!』では、俺がもっと書きたい放題書けるテーマで原稿書かせろ! そこまで一気にまくし立てた。
出版業に詳しくない読者諸兄には分かりづらいかもしれないが、ライターにとって「署名原稿なのに名前が記載されない」は、絶対に編集がやってはいけないケアレスミスなのだ。だから僕も俄然マウントをとって罵倒を浴びせかけた。
結果……。

「分かりましたよ大河さん。まぁ今回の記事も評判は良いんですが、次は大河さんの好きに、今回のさらに倍の8ページの尺を用意しますんで、ぜひそれでよろしくお願いします!」

さすがのM橋氏の即断即決であった。
しかし、前回が2ページで今回が4ページで次回が8ページ……。この調子で『このゲームがすごい!』が続いたら、8号で256ページになり、一冊丸ごと僕が書くことになってしまう。……って、それもう僕の単行本やないかい!

「……で、大河さん。大河さんが書きたいゲームネタって、ぶっちゃけどんなネタですか?」

M橋氏がおそるおそる僕にお伺いを立ててきた。
僕はニヤリとして胸を張って答えた。

“ゲームと映画”さ!」

次回は市川大河仕事歴 映像文章編Part7 ゲームライター・後「映画とゲームの黄金の組み合わせ

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