(株)ガジェットリンク代表・声優・平松広和氏をお迎えして語って頂く今回は「平松広和インタビュー・9今の自分とダバと泉そうじろうと」

前回は「平松広和インタビュー・8永野夫婦とリリス・ファウと」

――話をもどしますが、平松さんの「今」が、もし『スーパーロボット大戦』シリーズがなかったら、平松さんの中でダバっていう人物は、どういう立ち位置にいたんだろうって思うことは、歴史に「if」はないんですけれども、どこかやっぱり僕は思うことあるんです。

平松 でも、そんなに変わってなかったと思います。一年間やっぱり、同じ役を演り続けて、そしてなおかつペーペー(ダバが素人)の時から昇りつめていく成長過程も、しっかりと演らせていただいたので、こういうものなんだけれども、演技、役を作っていくっていうのは、こういうことなんだなっていうのは、本当によく学べました。だからまあ、基本的にはその一年間があって、舞台に帰ってきた時に、演出家に「お前やっぱり上手くなってるな。外に出してよかったな」っていう風に言われたんで、そうですか、ありがとうございますって言いました。だから、何やるにしても、ダバを演った『エルガイム』っていうのは、自分の演技の根幹になっていると思うので、『スーパーロボット大戦』という物がなかったとしても、それはそれで、僕の中にしっかり根付いていると思っています。

『重戦機エルガイム』より、ダバ・マイロード

――僕も、やっぱり声優さんとか俳優さんとか、あと作家さんとかとお付き合いさせていただくと、自分の一生の当たり役、代表作って、死ぬまで得られないまま終わっていっちゃう表現者の方が多い中で、世間に名を知らしめた、当たったものが一つでもあるって言うのは、それはもちろん金字塔なんですが。逆に当たり役が浸透し過ぎちゃうと、表現者として、全く違う表現をしたいのに、やらせてもらえる機会がないとかの状況って、やはりあるものなんでしょうか?

平松 そうですね、ただ幸いにも、『エルガイム』って、人気があるという風に言われているんですけど、実はそれほどでもないじゃないですか、世の中的には。いろいろなものがある状態の中で、『エルガイム』っていう、ある一部の人には、すごく人気があるものがある。そういう段階だったんで、別にすごいと自分で思ったことがないんですね。不思議なことで、九州に旅公演で回った時に、寺島さんが「こいつは『エルガイム』ですよ」って言ったんだけど、九州では放映されていなかったとか(笑)。いろんなことがあって、僕的には、全然重荷にはならなかったですね。本当にメガヒット(作品)だと、惜しくも若くしてなく亡くなっちゃった『超時空要塞マクロス』(1982年)長谷(有洋)君から話を打ち明けられたんです。「僕はデビューの時に、特大ホームランをかっ飛ばしたんですよね。その後にヒットがないんですよ」と。悩み苦しんでいるのは、話を聞いてわかってたんで、「大変だね。そういうのってね」って言うしかなかったんですよね。だから「もう多分(ヒットは)ないんですよ」って言っているけど、それを見守りながら、もう少し熟成させてあげると、またまたいきなり特大ホームラン打つんだろうなぁって思ってたんですけれども……ねぇ。

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