詳しくは、当時の記事のスキャン画像を見ていただければわかるが、特に小島監督の洋画パクリ(笑)は相当なもので、ゲームを作るたびに主人公が、『リーサル・ウェポン』(1987年)だったり。で、持ってる銃のデザインは『ブレードランナー』(1982年)デッカード・ブラスターそのまんまというね。
特に『メタルギアソリッド』の主人公は、潜入捜査という、既存のゲームでのバトル系主人公とはコンセプトが違ったところを強調したかったのか、誰がどうみても眼帯隻眼で無精髭という、『ニューヨーク1997』(1981年)カート・ラッセルが演じた主人公を、名前の「スネーク」もそのままに、拝借して使っちゃっても、まぁいいよね、だってゲームだモンというのが、いわゆるこの時代におけるゲームのイロモノ的サブカル立ち位置だったりしたわけで、僕の記事もそういうところを書きまくる。

別冊宝島366『このゲームがすごい!’98』『このビデオを見ろ!』

『バイオハザード』のゾンビだって、ゾンビがゆらゆらノロノロ動くのだって、ゲーム的には、決してフィールドバトルの殲滅戦がミッションではないからなんだけど、こと洋画においては、今じゃ珍しくなくなった「全力疾走で襲ってくるゾンビ」が、既に『バタリアン』(1985年)ダン・オバノンによって生み出されていたので、そのゾンビのノロさは「狙い」であり、まさにジョージ・A ・ロメロの『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(1968年)からのゾンビ三部作へ捧げる敬意みたいなものがしっかりと感じ取れるのである。
それでいて、屋敷で何度か出会うグチャグチャ触手系クリーチャーには、『遊星からの物体X』(1982年)の影響がしっかり見て取れて、みんなあの頃は、ジョン・カーペンターが大好きだったんだなァとしみじみ思うしかない。

別冊宝島366『このゲームがすごい!’98』『このビデオを見ろ!』

そういうアレコレを、まぁようやく自由の名のもとに勝ち取った8ページにブッコんだわけだけれども、ちょうどこの頃から、大賀さんの命の恩人である平井和正先生と組ませて頂いた仕事が一気に多忙になるので、別冊宝島からは撤退することになるのだ。

次回は「市川大賀仕事歴 映像文章編Part8 KADOKAWAメルマガ時代」

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