1978年、日本を席巻した“SFブーム”
前回は「『シン・機動戦士ガンダム論!』第1回 『ガンダム』前夜の1978年・1」
それまでは、現代の我々が「これはSFだ」と認識している子ども向け映像作品は、そのほとんどが「未来科学物」とか「空想特撮シリーズ」といった冠で呼ばれてきた。こと文壇においては、日本SF作家クラブが、福島正実氏や星新一氏、小松左京氏や半村良氏などによって、1963年に発足し、一騎当千のSF作家達が、60年代からこの時期まで15年以上、大衆娯楽小説雑誌や書下ろしノベルズや新聞連載などで「SF」という2文字の知名度を上げようと、必死に啓蒙を図ってきた歴史があるのだが、むしろ日本SF作家クラブの作家陣は一騎当千過ぎて、各自のジャンルが乖離しすぎてしまい「これが典型的なSFである」という連動性に欠け、概ね70年代までは、星新一氏のショートショートや、小松左京氏の『日本沈没』がベストセラーになって、SFという呼称の知名度向上に貢献するなど、単発の現象に終始していた。
ジーン「フン! 手柄を立てちまえば、こっちのものよ」