三留 そうね。その後社長(角川春樹)が、いろいろアレだった時期だしね……。そういえば、やっぱり春樹さんの秘蔵っ子だった高柳良一 元俳優)君が、その映画の当時、角川の編集者で、彼はすごく優れた編集者だったんだけど、(高柳氏本人は)もともとはラジオの仕事がしたかったのね。それは『ねらわれた学園』(1981年 監督:大林宣彦)の時に彼本人から聞いているのね。「ラジオの構成をしたり喋ったり、そういう仕事をしたいと思ってるんだ」って言ってたの。

大賀 大学卒業後に角川の編集者として働いていたことは、漫画家のいしかわじゅん氏が、エッセイ漫画『フロムK』でネタにしていましたね。

三留 彼は角川で『野性時代』の編集者をやってて、私にも仕事を作ってくれて、私つい言っちゃったのよ。「良ちゃん、役者としてはアレだったけど、編集者としては素晴らしいよね!」って(爆)

大賀 ダメ! それ言っちゃダメ!(爆)

三留 それで彼が「役者やっててよかったと思うことがありまして」って言うから「なに? なに?」って聞いたら、「初対面の人と会う時も、見つけてもらいやすい」って(笑)

大賀 そこかーい!

三留 で、ある時、新しい担当(編集)と交代しますって連絡がきたのね。で、どうしたの?って会って話したら、ニッポン放送の中途採用に受かったんで、角川は退社してそっち(ラジオ)の方に行きますって、そういう流れがあったんですよ。

大賀 はぁーっ! 彼はそこでようやく、学生時代からの夢をかなえたわけですね!

三留 そう。今はもう管理職に就いているのかな、この間も会いましたね。

次回は「三留まゆみ×市川大賀 第七夜「三留まゆみと80年代邦画と」」

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