菅総理は、7月末までに高齢者のワクチン接種を完了すれば感染増大は避けられると踏んでいましたが、ワクチンを打っていない40代50代の重症化が増え、デルタ株の脅威も手伝って、結局菅政権の思惑は散ってしまいました。
これらに対して、日本共産党の小池晃氏は、緊急事態宣言発出についての議院運営委員会で「国民に厳しい行動制限を求めながら、世界最大のイベントである五輪は開催する。矛盾したメッセージではないか」p追及したところ、西村大臣は「感染者が一体となって水際対策、バブル……」と歯切れの悪い返答をし始めたため、すぐさま小池氏は「水着ら作戦は水漏れ、バブルは崩壊してるじゃないですか」と切り返しました。
TVプロデューサーでタレントのデーブ・スペクター氏はTwitterで、以下のようにこのドタバタギャグのような国家状況と政府をギャグにしました。
さて、私は拙著『スマホ・SNS時代の多事争論 令和日本のゆくえ』で、新型コロナは絶対に一年では収束しないので、東京五輪は中止すべきと提唱してきました。
しかし、経団連、パソナ、電通、対米利権、政権利権は、国民や国民の経済生活、ましてや命まで放棄し、東京五輪へ突き進む道を選んだのです。
既に書いてあるように、東京の一日の陽性者数は1000人に近づいています。
頼みの綱のアクチン接種率も、五輪開催都市の東京での45%は、日本で最下位レベルの接種率です。
既に民意からは、「東京で開かれるのは、五輪などではなく、世界中から集められた新型コロナ変異種エキスポだ」という意見も出てきつつあります。
ここまでに対して、国民は懸命に政府に「五輪NO!」を突き付けてきましたが、先ほどの共産党小池質問に対する歪んだ問答のように、菅政権は頑として「まず五輪ありき」で、とうとう日本国民の経済や命を踏み台にし始めたと言ってもいいのではないでしょうか。
それもそのはずなのかもしれません。五輪とコロナのニュースに挟まれて、こんな経済ニュースが流されていました。
消費税収、所得税を抜き最大 20年度、初の20兆円超
財務省が5日発表した国の2020年度一般会計決算は、消費税収が前年度比14.3%増の20兆9714億円だった。所得税を抜き、初めて税収が最大になった。19年10月に税率を8%から10%に引き上げた効果が年間を通じて表れ、初めて20兆円を突破した。
他の税目を合わせた税収全体は4.1%増の60兆8216億円で、これまで最大だった18年度の60兆3563億円を上回った消費税10%のうち2.2%分は地方消費税で、地方の取り分となる。国の取り分の7.8%分も、約2割は地方交付税に充てられる
消費税収の増加は、社会保障費が膨らむ国と地方の双方に恩恵がありそうだ。
共同通信 7/5(月) 18:17
もちろん、この報道には所得税、法人税が含まれず、なので2019年に増税された消費税がカギを握ったのではありますが、ということはすなわち、自民党政府は、野党が「経済復興の切り札だ」と推す「消費税撤廃」である、まさにその消費税様様で、どれだけ五輪成功の為に、国民や民間の経済や命が切り捨てられようと、消費税さえ確保しておけば財源は問題はなく、足りなくなれば増税すればいいだけなのです。
さて皆さん。
実は私も、先日7月7日に、一回目のファイザー社ワクチンを接種してきました。
しかし、日本各地で、ワクチンが足りなくなり、接種の予定や大木美摂取がキャンセルされている中、集団免疫は東京五輪開催まで間に合わない事は、まず確実になりました。
「窮状の日本」を救うのは、東京五輪景気復興と消費税なのでしょうか? 五輪中止と消費税撤廃なのでしょうか?
前者によって救われるのは、果たして日本の国民でしょうか?
かつて私は、自著『スマホ・SNS時代の多事争論 令和日本のゆくえ』内で「私たちはもう戦後を生きているのではなく、戦前を生きているのかもしれない」と書きました。
しかし、その著書上梓から一年経って、改めて今の正直な気持ちを書きます。
日本は戦前からまた、コロナとの戦争に突入し、太平洋戦争、バブル景気に続き、「三度目の敗戦」を今過ごしているのではないかと。
五輪関係でのコロナ問題の不祥事は、既に聞こえてきています。大量のボランティアが単独で問題を抱えるだけではなく、都心部の医療体制を圧迫することも確実です。
菅首相は、今回の緊急事態宣言を「これが最後の緊急事態宣言です」と述べたと伝えられておりますが、日本国民は国家の首相に騙されて敗戦をするのは、これで三度目になります。
くしくも今回の緊急事態宣言明けは、次の終戦記念日の一週間後。
その空は、やはり抜けるように暑く、太陽は輝いているのでしょうか。
さて、今日の多事争論はそんなところです。