山際インタビュー、感慨深く拝読しました。
僕に関しては、褒めていただいている部分も、非難されている部分も、実に的確です。
久しぶりに山際節を堪能しました。多謝。
唯ひとつ、インタビューア側(原文ママ)の文言で「(山際さんと僕が)コンビを解消した」という表現がありましたが、私達は、一度も、コンビを「解消」も「絶交」もしたことはないのです。
山際監督にもそんな意識はないはずです。
二人が組まなくなったのは、二人の意志ではなく、むしろ、橋本プロジューサー(原文ママ)が二人が組むことを畏れて、わざと組ませないようにしていた節があったのではないかと、いまでは思っています。
なにしろ、二人が組むと誰にも止めることのできない強力で、破天荒な世界を創り出してしまいますので、制作者としてはできれば避けたいコンビだったでしょう。
ーその後は、ご承知のように、二人の仕事の路線が変わっていったことで、自然に疎遠になっていったというのが真相です。
僕など、NHKの専属のようになってしまいましたから。
何度も言っていますが、山際監督は、僕が唯一人、ドラマの師匠と仰ぐ方です。師匠に「あいつァ、バカだねェ」と言われる快感は、また格別のものです。今回、久しぶりに言われましたね。
市川森一氏よりのメールママ
(以上引用・以下略)
市川森一 40年間離れていても、互いの思考の裏まで読み取る洞察力。そして粋な罵倒と粋な返し方。アニメの名作『ルパン三世 カリオストロの城』(1979年)のラストの台詞に「なんと気持ちの良い男たちだろう」というのがあったが、まさにこのコメントを受け取った時の筆者の心境は「粋な大人同士の喧嘩というのは、なんと気持ちのよいものだろう」であった。
誰に言われずとも、山際監督と市川森一氏は、後年イデオロギーの立場で相容れなかった事は知っている。しかし、イマドキのネット論壇人気取りの感情論的イデー論争ではなく、心底分かりあってる互いだからこそ、のレベルでお互いを認め、そして糾弾する。これは御二人の粋な生き方そのままであったと思う。
今回のこの市川森一氏のコメントをもって、山際永三監督インタビューの後日談を終了するが、筆者が直接お会いでき、話を伺えた「あの時代の粋な大人」は他にもいらっしゃるので、また評論の合間に紹介していきたいと思う。