さてさて。
『hard-boiled中年男性の人生少女漫画遍歴を追いかける』を続けると。
大河さん20代の一時期、同棲していたことがあって(もちろん同棲相手は女性だ)、当時の彼女が少女漫画大好きな人で、しかも白泉社系に特化してたので、『花とゆめ』『Lala』は全部読まされた(笑)
『みかん絵日記』とか『赤ちゃんと僕』とか『CIPHER』『ぼくの地球を守って』とか。
その辺りは、白泉社系としては王道に当たる漫画群なんで、もちろん「少女漫画としては異端なんだけど、白泉社系としては王道」なコンテンツばかりなんだけど、筆者の場合はもうちょっとさらに捻くれてて、自分的には桑田乃梨子の『ひみつの犬神くん』とか、『人生は薔薇色だ』が好きだったっていうのがある。
桑田さんの漫画は、とことんシニカルなギャグのくせに、たまにピンポイントで涙腺を崩壊させる台詞や展開があるからやめられない。
さらに『ひみつの犬神くん』では、「あ、この人もヒライストだな」と思わせてくれた辺りとかね(笑)
あと、王道白泉社系でハマったのは、川原泉先生の『空の食欲魔人』シリーズだった。あと『甲子園の空に笑え!』とか(と、その続編の『メイプル戦記』とかね)。山口美由紀先生の『ビビッド・キッズ☆カンパニー』とか山口先生のも、ライトコメディの方が馴染みやすかった。
いや、女性漫画家が本来の読者層たる少女や女性に向けて、本気で重たい女性的テーマを扱ったり描いたりすると、それは女性同士のコミュニケーションとしては多分すごく良いバランスなんだろうけれど、どうしても、当時まだまだPUNKSでSFマニアで特撮マニアでアニメオタクで映画マニアだった大河さんなどには、どうしても「入り込めない重たさと壁」を、感じてしまう事は多かったとはいえるわけですな。
逆に、80年代サブカル男子としては、三原順先生とか猫十字社先生とかには、ハマる機会を得られなかったという残念感はあったりする。その辺りもきっと「そういう理由」だったりするのだよね、気分としては(同じ「作品の重たさ次第」で言えば、吉田秋生女史の作品にも言えるのだった)。