――永野護さんと、川村万梨阿(レッシィ役 現・永野夫人)さんは、もう親しかったんでしょうか?

平松 僕はそういうのは、全然疎い方なんで、全然わかんなかった。でも、随分前からですよね。だって、多分僕がアニメックでバイトしてる時、万梨阿さんも来てましたからね、編集部の方に。その頃から(永野氏と)付き合いはあったんでしょうね。後から小牧(雅伸)さんに聞いて(二人が付き合ってるのを)知りました(笑)。僕はアニメックにいたと言っても、編集部とは違う部署でバイトをしていたんで、(当時の『アニメック』編集長の)小牧さんとかとは、殆ど顔は合わさなかったんですよね。

――富野由悠季監督と永野護氏の関係も、日本のアニメ史でも稀有なパートナーシップだと思いますので、平松さんのお二人観をお伺いしたいと思います。永野護氏は『エルガイム』放送後、『エルガイム』をベースにして、『ファイブスター物語』(以下『FSS』)という漫画をお描きになりはじめたじゃないですか。それは、平松さんは、読んだり追いかけたりはされていますか?

永野護『ファイブスター物語』

平松 えーとね。少し読んでたかな。今最新16巻でしたっけ。出てはいるんですけど、全部は読みきれてないですね。だから、あの(『エルガイム』の)時代以外の部分がいろいろあるので、『エルガイム』の時代のとこ(単行本3巻、もしくは8巻)まで読んでないと思うんです。もうちょっと、前のとこで止まっています。止まってるっていうか、あの(『FSS』の)連載も、結構長期にわたって休みが入るので、分かんなくなっちゃうんですよ、僕も(笑)。(単行本を)ずっと買い続けていなくなっちゃったので、掲載雑誌は『月刊ニュータイプ』かな。さすがに買ってないと追い付けないですね。あの(『FSS』連載が休載し始めた)当時は、情報がこう、ネットとか、そういうのがなくて、(連載が)いつ再開したとか、そういうのが分からなくて、そこから(離れた)なんだと思います。

――でも、『エルガイム』と、基本地続きでもあり、鏡像であるっていうところは、興味はありましたか。

平松 『エルガイム』の時点で、あの(エルガイム)MK-Ⅱの額のファティマでしたっけ。「あぁファティマがちゃんと稼働している世界なんだ」とか思いましたね。「ファティマ、ファティマ!」とか言うんだけれども、でも(劇中では)ファティマの話なんか、一切、誰もしないじゃないかっていう(笑)。

――そこを聞きたかったんですね。平松さんがエルガイムのアフレコをしていた時って、画面、全部できてました?

平松 いや、画は出来ていなかったです。

――そうすると、アフレコの時点では、エルガイムMK-Ⅱにファティマが搭載されている画だったかどうか、声優さんには分からなかったわけですね。

平松 そうですね。画面を観ても「ダバだかレッシィだか、区別がつかないぞ」とか言ってる状態でした。

次回は、永野護氏と川村万梨阿さんの『エルガイム夫婦』に関する、微笑ましくも深い話や、それが平松氏からどう見えていたかを伺います!

SEE YOU AGAIN!「平松広和インタビュー・8永野夫婦とリリス・ファウと」

『声優・平松広和の私道 Mk-2』(Voicy)

『平松広和の私道』(YouTube)

取材協力 (株)ガジェットリンク

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