――それはひょっとすると、『エルガイム』前年の『聖戦士ダンバイン』(1983年)が、ちょうどシリーズ中盤で、スポンサーの玩具メーカーのクローバーが潰れちゃって、打ち切りになるかもという騒動が、当時実際にあったから出て来たネタじゃないでしょうか?
平松 なるほど! そういうことだったのか! 僕が聞いたのは、クローバーが潰れちゃって、チャム・ファウ(『聖戦士ダンバイン』のマスコット。『エルガイム』ではデザインもそのままに、リリス・ファウとして登場する)人形が山のように余ったから、リリスを描いたってね。え、なに、それとか言うね(笑)。酒飲みながら、そういう話を(永野氏と)していたんですけどねぇ。
――永野氏とは、やっぱりそういう意味では仲が良かったんですね。
平松 普通にやっぱり、喋ってはいました。なかなかお会いできなかったんですけどね。でも、今でも(川村)万梨阿さんと素敵な夫婦やって、ますね。二人ともふわっとした感じで。いろんな人がいるところにいても、なんとなく漂ってる感じでいるんですよね。
――永野・川村夫妻に関しては、二人のファンには、ある意味で爆笑なんですが、ある意味で素敵な、こんな痴話喧嘩の逸話もあるそうです。
とある事で川村と夫婦喧嘩になった時、川村から「お前なんかロボットが描けなかったらただのクズ男だよ」と言われて「あったりまえじゃん。オレはロボットが描けるから今の地位があるんだぜ」と言い返した。
『Tales of Joker』8号
平松 うん、うん、そうかもしんない(笑)。クズ男かどうかは分かんないですけどね(笑)。それから二、三日、男は、家を出ますからね(笑)。男とは、そういう生き物でございます。
次回は、そんな『エルガイム』から四十年が、『らき☆すた』からも十数年が経過した「今」を語ります!
SEE YOU AGAIN!「平松広和インタビュー・9今の自分とダバと泉そうじろうと」
『声優・平松広和の私道 Mk-2』(Voicy)
『平松広和の私道』(YouTube)
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