――実は、春ぐらいに、ちょっと「え?」となる呟きが、Twitterで流れてきたんです。

――いわゆるアイドル声優さんが、アイドル活動を辞めたいってなった時にそれへのリアクションが、悪意も敵視でもなく「これを声のお芝居だけでやっていきたいストイックな姿勢と見るのか、若いうちからいろいろな可能性を閉ざしてしまって勿体無いと見るのかで意見が分かれそうよね」という反応が出てしまう。そこで「声優の、声優以外の可能性」に「アイドル活動」しか視野に入っていなくて、舞台や芝居という選択肢に、ファンも全く考えが行き届かないんだなっていう現実認識に、唖然としてしまうしかなかったのですが。

平松 そうですね。資本主義の中で動いているので、そこはどうしようもないところですよね。お金を出してくれるところを熱くして行かないといけなくて。でも、それだけが目立って、そこを目指して声優になりたいっていう人が増えちゃう。多分、今はそういう状況なんだと思うんですよね。アイドル的な活動の方に目を奪われて、声優になりたい。っていうか、声優になりたいんじゃなくて、有名になりたいんだと思うんですよね。ちやほやされたいとか、そういうものだと思うんですけど。そういうのがあることによって、若手の演技の質が、ちょっとずつ低下していく。均等な芝居になっていく。マニュアル的な。そうすると、じゃあ、元々有名な人(俳優)がやっても、同じような芝居(の結果)だったら、元々有名な人がやった方が、ずっと裾野が広がるんじゃないのって話になるんですよね。そうなると、ボーダレス状態になって、声優っていうものの立ち位置が、結構危うく、そんな状態になってると思うんですけどね、いつからか。

――やはり、今の状況を否定も肯定もしませんけど、平松さんのように、五十年代、六十年代、七十年代の、声優という世界の黎明期を受け手として過ごして、八十年代から業界の内側でずっと過ごしてらした方のプロダクションというのは、すごく業界の鍵になっていくと思うんです。業界の中には、胡散臭いプロダクションや自称業界人も多くいる中で、平松さんのような方が率いて下さるプロダクションであればこそ、次の時代を切り開けると思っています。平松さんと(株)ガジェットリンクさんが、頑として存在してくださっていることは、声優が俳優であるという文化が崩れていく中で、防波堤のように安心して、頼りにしています。

平松 そういってくださるのは嬉しいですね。防波堤はおこがましいですけど、テトラポットの一つぐらいにはなろうとは思っています(笑)。

次回は最終回にふさわしく、平松氏の声優としての未来を語っていただきます。! ここまでお読み頂いた平松広和氏インタビュー最終回は、平松広和が思い描く、自身の未来の夢になります。ぜひ皆さん、最後までお読みください!

SEE YOU AGAIN!「平松広和インタビュー・最終回 「歳相応の役」と「幸せをもとめて」と」

『声優・平松広和の私道 Mk-2』(Voicy)

『平松広和の私道』(YouTube)

取材協力 (株)ガジェットリンク

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