一見するとモビル・スーツ時とモビル・アーマー時、ガザDとは相似形だが、如何にしてまずはこちらのガザCありきで、換骨奪胎でシンプル化されたのがガザDであるかが分かる。

ガザC モビル・アーマー形態 正面

ガザDには付けられた「モビル・アーマー形態時のモノアイ」がないので、なんともしまらない印象である。

ガザC モビル・アーマー形態時 背面

元の設定が「作業用機械の転用」だからか、『Zガンダム』飛行形態変形へのエクスキューズだった「飛行形態に変形することで、機体各所のスラスターやバーニアが、同じ後方を向いて集まる」法則性もここでは見られない。ではなんのメリットと必要があって変形するのかと聞かれたら「『Zガンダム』が変形ロボット漫画だから」としか切り返せないのも事実。

ガザC(左)とガザD(右)のモビル・アーマー形態その1

両者一長一短があるが、ガザCはHGUCの現代の技術をもってしても完全変形は無理だった。ガザDは1986年のガンプラの技術で手首以外の完全変形が可能だった。
しかし、デザインと変形の概念の元祖はガザCであり、ガザDはそれを受けて換骨奪胎したに過ぎない。あとは好みの問題であろう。

なんにせよ。『Zガンダム』後半の、組織三つ巴乱戦を彩ったアクシズの量産機が、変形可能で1/144で手に入るようになったことは、劇場版の恩恵としては嬉しい限りであった。ちなみに本キットは量産型に先駆けて、劇場版オリジナルのハマーン専用機の白いガザCが先行発売されているので、劇場版『Zガンダム』に拘る人であれば是非とも手に入れておきたい佳作キットであろう。

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