そしてそれらを超える大騒動が、自民党安倍派の大崩壊パーティー券疑惑でした。元々日本の政党の中でも自民党は各派閥が独立して存在した上に結び付く、いわば合衆国のような存在で、本来であれば派閥領袖が物故した時点で安倍派も解散すべきだったのですが、長年の「旨味」を手放したくなかったためそのまま中心に居座ったからでしょうか、昭和の頃から永田町ではギリギリ合法しかし一攫千金だった「パーティー券集金法」が、白日の下に晒され、想像以上に多くの関係議員が億単位のスキャンダルを抱えて、2023年の通常国会は終了しました。
パーティー券システムは、派閥の領袖がまず派閥幹部達に一枚2万程度のパーティー券の割り当てをします。バブルの頃であれば軽く憶の単位で総額が決められていました。その後はトップダウンです。幹部から陣笠議員達へ。議員達から後援企業各社へ。企業内でも社長から取締役、マネジメントスタッフ、そして最後は平社員まで。徹底して売ります。パーティは実際に行われますが、経費はバブルの頃で500万程度規模。当然チケットを買ったからと末端企業の平社員が来ていいはずもなく、出される飲食もビールと乾き物程度。
元々が集金システムなので、アリバイ開催でしかありません。
当然実施されたパーティの規模や人数なども、当局は既に証拠を抑えていると思いますが、国会開催中の引き延ばし戦略と不逮捕特権を盾にした自民党は、この間に任意で事情聴取されるだろう議員や秘書を、徹底して教育します。自民党の弁護士チームには元腕利きの検察官だったヤメケンが何人もいますから、その人たちにしっかり予行練習をしてもらい、本番の事情聴取の口裏を合わせるのです。
国会が終了してから、新年の再開に向けて、儀式のように事情聴取が行われます。

昭和までであれば、確実に内閣が総辞職していたレベルの10倍は酷い今回の案件ですが、岸田政権は2024年9月の任期終了までに、衆参両院での改憲権を勝ち取る気満々です。ターゲットにされたのは安倍派ですが、世間はこれを自民党の不祥事と受け止めますから、改憲権を得るまでに選挙が起きれば、過半数割れとはいかないまでも、改憲勢力2/3を維持することは大変難しくなっていくので、意地でも解散はしない方向でこのスキャンダルを乗り越えようとするでしょう。
標的は安倍派でしたが、おそらく週刊文春や東京地検特捜部へのリーク者は、党内の反改憲勢力者なのかもしれません。

それにつけても私などには、そういったディテール以外で素朴で大きな疑問があります。
なぜ、こういった大型スキャンダルの告発は、その発信元が揺るがずに毎回週刊文春なのでしょうか。今や国民的にも「文春砲」は定番用語で、パソコンのIMEにも登録されています。なぜ毎回必ず文春なのでしょう?
例えば文春がどれだけ高くスキャンダルを買い取っていたとしても、それ以上の額を他社が一切出さないというのもおかしな理屈です。
暴露する側だって、文春が好きではない人もいないとはいいきれないはずです。100%という数字が私には不気味です。
その文春砲に言わせれば、私が信頼していたTBSやテレビ朝日等のTVマスコミを、政府が金と圧力でアンダーコントロールしているという事実も暴かれました。実際TBS『報道特集』の金平キャスター降板は忸怩たるものを感じざるを得ません。
なのにその「国家政権のメディアへの金と圧力」が、こと週刊文春には一切効力を発さず、毎週国民注視の文春砲が発射されるのは、いささか不自然な状況にも見えます。

この社会に因果応報という言葉が実在するのであれば、遠からず文春の闇も暴かれるのではないでしょうか。
さて、今年最後の更新もこんなところです。

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