「主役機カラーのガンダムMk-Ⅱ単独の1/144 ガンプラ」の新製品は、2012年4月発売のRG ガンダムMk-Ⅱか、2015年11月発売のHGUC 193 ガンダムMk-Ⅱまで待たなくてはならなかった。そのため、この030版のエゥーゴカラーが(限定版やタイアップ版等を除いた一般で)単独で商品化されることは最後までなかった。
ユーザーサイドにしてみれば、ガンダムMK-Ⅱのエゥーゴ版を複数所有するメリットがあるわけでもなく(最初に個別に3機登場したのはティターンズ版であり、エゥーゴはその3つを鹵獲した後、1機だけ可動状態にして、残りの2機は部品取り用に分解しているため、エゥーゴ版のガンダムMK-Ⅱが複数並ぶ状況がありえない)、かといって、スーパーガンダム版とフライングアーマー版で、ガンダムMK-Ⅱそのものの仕様に、何か劇的な変化があったかと問われると、実際はほぼ差異がないので、結局Gディフェンサーとフライングアーマーの両方を欲しい人は、エゥーゴ版ガンダムMK-Ⅱを二つ買ってしまうわけで、逆にガンダムMK-Ⅱエゥーゴ版を単独で欲しい人は、ティターンズ版の倍値を出して、Gディフェンサー付かフライングアーマー付かの、どちらかを選ばなければいけないというオチが待っていたのである。
今、2種のガンダムMK-Ⅱエゥーゴ版に「ほぼ差異はない」とは書いたが、実際にはほんの少しだけ改修部分がある。
一つは、ガンダムMK-Ⅱのムーバブルフレームの色の解釈であり、先行したスーパーガンダム版では、黒に近いグレーだった関節部分や武器類が、フライングアーマー付版だと、ティターンズ版と近いミディアムブルーに成型色が変更されていて、アニメ版にはこちらがより近い。
スーパーガンダム版(左)とフライングアーマー版(右)とを並べると比較で分かるが、関節フレームの色が後発のフライングアーマー版の方がアニメの色味に近い
あと、バックパックのフレキシブルバーニアスラスター(サーベルユニット)のパイプが、スーパーガンダム版がプラパーツだったのに対して、メッシュパイプに変更されている。
バックパックの比較。下のスーパーガンダム版だとチューブ部分はプラパーツだが、上のフライングアーマー版だとメッシュパイプに変更されているのが分かる
その他は、3種のガンダムMK-Ⅱは、どれも基本的には同じキットであると言い切ってよい。
キット自体のポテンシャルには既に言及したが、『Zガンダム』現役視聴組が最初にアニメや雑誌の設定で見た「2機目のガンダム」としての印象は、旧キット、初代HG、このHGUC 030版等の方が明確に立体化されており、後のRG版やREVIVE版は、後からガンダムメカ歴史に参入してきたOVA版やオリジナルのガンダム群との、整合性を優先してデザインがリファインされているというのもあってか、個々に好みが別れるかもしれないが、『Zガンダム』劇中内でのガンダムMK-Ⅱの再現としては、このHGUC 030版辺りが一番バランスがとれていると、筆者などは思っている。
なお、RG版ガンダムMK-Ⅱに合わせた形で、プレミアムバンダイ限定で、Gディフェンサー&フライングアーマーのセットが2012年の5月に1800円で「抱き合わせ」と「バラ売り」を兼ねた商法で発売されたが、中身は基本的にHGUC 030セット版と同じ物。
RGガンダムMK-Ⅱ用のアタッチメントパーツが付属しているが、スーパーガンダム時のロングライフルをRGガンダムの可動指で保持せねばならず、その辺りに無理が祟っていた。
今回用意したHGUC ガンダムMK-Ⅱの4機。これまでとは違い「全部同じ金型のガンプラ」というところがミソ(笑)
今回は、ティターンズ版を2機(03と02)、エゥーゴ版も2機(Gディフェンサー用とフライングアーマー版)をそれぞれ、合計4機用意。
追加塗装は、エゥーゴ用のビーム・サーベル握り手の、指をミディアムブルーで、ビーム部をピンクで、後は4機ともバックパックバーニア内部の赤だけモンザレッドで統一塗装して、それぞれの機体を再現画像では適材適所で使用している。