今回の再現特撮は、いつものルーティンワークとは違い、砂漠の幻の町・バラージでの戦いを再現すべく、特殊セットで演出を行った。
本編解説にもあるとおり、本話の舞台・バラージは、東宝映画『奇巌城の冒険』(1966年)のセットで撮影されている。
それゆえウルトラマンとアントラーの戦いも、その映画で出てきたオープンセットの城をミニチュアで再現し、そこをバトルフィールドとして戦いが展開するのである。
それを再現する、我が再現特撮もまた、バラージ城をミニチュアで再現。
セットの底面には、砂漠を再現すべく土を敷いた。
本来なら、砂漠であれば土ではなく砂なのかもしれないが、実際のウルトラマン本編でのセットが、砂ではなく土で組まれていたために、我が特撮セットの再現もそれに準じて、砂ではなく、園芸用のピートモスを使用することにした。
序盤、ウルトラバトルゾーンの科特隊基地から発進したビートル。
一連のカットは、噴射炎を合成した操演で演出。
フォトショで描画したアントラーの磁力光線でビートルは墜落する。
アリジゴクの巣の中で潜むアントラーは、通常頭部と上半身のみのボディの組み合わせ。
バラージ城のミニチュア全景カットを挟んでからは、ノアの神のカットになる。
ノアの神殿の背景壁は、DVDを観ながら描いた手描きのケント紙。
側面のブロックと、壁画面の二面しか作っていない。
壁画は、DVDをどうキャプチュアしても確認できない部分があったので、そこは筆者による想像で描いて再現した。
やがてアントラー登場。
バラージ城は実際にミニチュアを破壊して瓦礫を作り出している。
ウルトラマンが登場してからは、カラータイマーとスペシウム光線、アントラーの磁力光線がフォトショ描画。
あとは移動ブレぼかしなどを演出に応じてかけてある。
アントラーは、地中から這い出しているカットでは、上半身のみのボディを使用、23カット目からは本編に準じて
右ツノをカットした頭部を使用している。
戦闘はノアの神の青い石によって終結する。
本編同様にオリエンタルムードを出そうと努力してみたが、読者の皆さんはどのように感じてくれただろうか。