(今回だけの大事な前提。実は大賀さん、今回のこの原稿を書いたのは、MiddleEdgeの連載が続く予定の2019年でした。皆さんご存知のように、バウンド・ドックは、2020年にHGUC化されておりますが、今回は、当時の文脈を大事にしたいという意味と、まぁ通ぶってても、読みが浅かったよねという自分自身への自戒も含めまして「まだHGUC化されてなかった頃」の文章をお届けします。どうか御笑いくださいませ。

ガンプラ! あの熱きガンダムブーム。あの時代を生きた男子であれば、誰もが胸高鳴り、玩具屋や文房具屋を探し求め走ったガンプラを、メカ単位での紹介をする大好評連載。
新展開では『機動戦士Zガンダム』(1985年)『機動戦士ガンダムZZ』(1986年)『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(1988年)まで、旧キットから最新のHGUCまで、商品の発売順に、再現画像と共に網羅紹介していこうという趣向になっております!

『Zガンダム』二人目の「悲劇のヒロイン」ロザミア・バダムと、バウンド・ドックモビル・アーマー形態

私、市川大賀がこのサイトで連載している、 『シン・機動戦士ガンダム論』での、 再現画像で使用しているガンプラを、 古い物から最新の物まで片っ端から紹介していこうというテーマのこの記事。
今回紹介するのは、『Zガンダム』放映後30年が経過しても、過去に一度もガンプラ化されていない(この記事を書いたのは2019年!)モビル・スーツ、バウンド・ドックのMOBILE SUIT IN ACTION!!版です!

バウンド・ドック MIA ノンスケール 2006年2月 4200円(機動戦士Zガンダム)

MIAバウンド・ドック、ロザミア機(上)とゲーツ機(下)のパッケージ。完成品トイなのでブリスターパックで、いかにもアメトイなデザイン

『Zガンダム』放映から35年、劇場版からも干支一回りが経った2019年現在、過去にリアルタイプのガンプラでは一度もキット化されなかったモビル・スーツが存在する。
それが、今回紹介するバウンド・ドックと、ボリノーク・サマーンの2機である。
『Zガンダム』キット化のチャンスは、上記した映像展開時に加え、MG、HGUC展開の初動にもチャンスがあり、そこで永らく1/144では未キット化だったキュベレイやジ・O等も拾われたのだが、ことこの2機に関しては、33年間全くキット化の噂も聞いた事がない。バイアランのように『機動戦士ガンダムUC』で派生機が出たという話もないので、金型流用でキットが出せる土壌もない。
少なくとも、このバウンド・ドックに限っては、そこの「なぜ」を今回解き明かしていきたいと思うのだが、先に今回紹介するバウンド・ドックの商品枠、「MOBILE SUIT IN ACTION!!(以下・MIA)」に関しての解説から入らなければいけないだろう。

ピンクと紺のモビル・スーツ形態がロザミア機、モノトーンのモビル・アーマー形態に変形してあるのがゲーツ機

MIAとは、当初はアメリカをはじめとした海外向けに、いわゆる国内では「アメトイ」路線として開拓された、PVC製の塗装済み完成品アクションフィギュアである。
シリーズは海外向けに1999年、国内でのHGUCガンプラと同時に展開が始まった。
1999年というと、海洋堂チョコエッグで社会現象を起こし、一気にミニフィギュアバブルが食玩を中心に起き始めた時期。
バンダイ「HGガシャポン」シリーズでアニメや特撮のキャラクターを展開し、一気に業界が動き始めたタイミングだった。
そうした背景には、中国の工場生産技術が飛躍的に向上したにも拘わらず人件費が安く、船便の往復の費用と時間をかけても、採算がとれるビジネスになったことが一番の理由として挙げられる。

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