ガンプラ! あの熱きガンダムブーム。あの時代を生きた男子であれば、誰もが胸高鳴り、玩具屋や文房具屋を探し求め走ったガンプラを、メカ単位での紹介をする大好評連載。

エゥーゴの地球降下作戦を阻止すべく、迎撃するティターンズのマラサイ部隊!

私、市川大河が、書評サイトシミルボンで連載している、 『機動戦士ガンダムを読む!』での、 再現画像で使用しているガンプラを、 古い物から最新の物まで片っ端から紹介していこうというテーマのこの記事。
今回紹介するのは、『機動戦士Zガンダム』(1985年)でハイザックに続きティターンズの量産型として活躍した、カリスマモデラーデザイナー小林誠氏による渋い名作デザインモビル・スーツ、マラサイのHGUCを紹介します!

マラサイ 1/144 HGUC 052 2005年1月 1400円(機動戦士Zガンダム)

HGUC マラサイのボックスアート。量産型でありながら手ごわい敵感が上手く出ている

2005年から2006年にかけて、ガンプラ、特にHGUCでは、未曽有の『Zガンダム』登場モビル・スーツのキット化ラッシュが続いた。
具体的には、2005年から2006年の春にかけて商品化されたHGUCガンプラ12種類のうち、実に9種が『Zガンダム』のモビル・スーツの商品だったのである。
まぁ、理由は至って簡単である。この時期に劇場用映画三部作『機動戦士Ζガンダム A New Translation』が公開されたからである。
劇場版『Zガンダム』三部作は、以下のラインナップになっている。
『機動戦士Ζガンダム-星を継ぐ者-』(2005年5月)
『機動戦士ΖガンダムⅡ-恋人たち-』(2005年10月)
『機動戦士ΖガンダムⅢ-星の鼓動は愛-』(2006年3月)

完成したHGUC マラサイ

まず映画化の企画ありきで、便乗してバンダイがHGUCラインナップを『Zガンダム』系で埋めたのか。
それとも、バンダイが「過去作品のガンプラの1/144をHGでリメイクする」というビジネスビジョンが先にあって、そのコンセプトへのブースターとして『Zガンダム』が劇場用映画でリメイクされた順序なのか。
詳しくは『機動戦士ガンダムを読む!』で解析していくが、少なくとも末端の筆者のような富野ガンダムマニア、ガンプラファン、『Zガンダム』ファンにとって、このビジネスプランはただただ嬉しい展開として受け止めることになった。

再現画像より。モノアイを輝かせて、同じザク系列のハイザックを脇に、出動していくマラサイ

その「HGUC『Zガンダム』ラッシュ」は、劇場版『Zガンダム』第1作が、東京国際ファンタスティック映画祭2004で先行上映された2004年から水面下でスタートしていたようで、2003年秋のHGUC Zガンダム、2004年のHGUC 百式+メガバズーカランチャー、HGUC ジ・Oの発売展開も、決して無関係とは言い切れない(そもそも劇場版の製作は、2003年には始まっていたのだろうし)。
そんな中で、情報解禁を待ちわびていたかのようなHGUC『Zガンダム』シリーズのラッシュの、戦陣を切ったのが今回紹介するマラサイだった。

HGUC マラサイの正面

マラサイは、見ての通り典型型のザク系機体であり、『Zガンダム』内でも「ハイザックの発展型」という設定が当時からある。
一見すれば、モノアイにヘルメットをかぶった頭部、シールドの左肩とスパイクアーマーの右肩、顔と腰に展開するパイプ、脚の形状など、全てがザクからMSVのザクRへの流れの延長線上にある。
しかし、このマラサイは『Zガンダム』放映当時にも1/144でキット化され、それは同シリーズの中では佳作の域に達していたが、当時の模型雑誌やモデラー達はことごとくキットの出来を批判した。曰く「マラサイらしさがどこにもない」

HGUC マラサイのサイドビュー
HGUC マラサイのバックビュー

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