前回、こちら『ウルトラマン検証番外編「ゼットン星人の謎を追え!」』で考察した『ウルトラマン(1966年)』最終回『さらばウルトラマン』のクライマックスに、20秒だけ登場した「ゼットン星人(そもそも脚本上では、その名前すらなく、「奇怪な宇宙人」という表記しかない)」について。
長らくファンの間で、その造形は「『ウルトラQ』(1966年)『2020年の挑戦』に登場したケムール人の頭部を」までは統一されていても、その先は「頭部を90度曲げて身体に装着された」「180度曲げて身体に装着された」「改造されて身体に装着された」等々、諸説ありながらも、とりあえず大前提として「ケムール人の頭部を、単眼の宇宙人に見えるように、カスタムして撮影された」までは共有されて、平成ウルトラシリーズなどでも、着ぐるみが作られていた。
いや、実はそんなたいそれたもんじゃねぇんじゃねぇの? あれって、カメラが実は真正面から写してないし、単純に、ケムール人の頭を、ちょっと捻った状態で被っちゃっただけなんじゃないの? と思い立ち、検証したのが前回。
結論から言えば「ケムール人頭部は、中身が古谷敏氏ではないからか、劣化したからか、『禁じられた言葉』で、ケムール人二代目として登場した時から、頭部が斜めに捻れて装着されており、ゼットン星人の場合は、さらにそこで、出番が数十秒、数カットしかない上に、カメラアングルも斜めから切り取っていた為、頭部が単眼に見えるだけで、実はただのケムール人頭部そのまま」という結論に至った。で、ここから先は『光の国から愛をこめて』流。
「実際に、フィギュアで再現してみましょうよ!」というのが、今回の企画でございます。
用意したのは、旧バンダイウルトラ怪獣シリーズのケムール人ソフビと、同じくバンダイの「S.H.Figuarts カメラ男」カメラ男というと分からないかもしれないが、映画館で映画が上映される際、日本国際映画著作権協会 / JIMCAが告知している『映画泥棒』のキャラクターであると述べれば、分かる人もいると思うが、この商品は、そのカメラ男のフルアクションフィギュアなのである。そう。今回のミッション。
「究極のゼットン星人フィギュア」だけではなく、フルアクションで「本当のゼットン星人」を再現してしまおうという企画なのである。
まず、「S.H.Figuarts カメラ男(写真・D)」のチョイスに関するエクスキューズだが。そもそも旧ウルトラ怪獣シリーズは、基本的にスケールが1/10。それに対して、S.H.Figuartsは1/12という違いがあったが、実はウルトラ怪獣シリーズのスケールは、実際においてはサイズの統一であり、スケールは個々にバラバラなのだ。しかも、ケムール人の場合、元々のデザイン的に、頭部が大きくて縦に長いので、逆算的に肩までの高さが低く、スケールも若干小さくなる。