金城作品にみる「怪獣的なる者」と「子ども的なる者」の閉じた関係性
金城哲夫
満田かずほ
高野宏一
「北山湖。山奥の静かな静かな湖である。普段は訪れる人さえなかったのだが……」
「こうした魚の異常繁殖のニュースは、科学特捜隊に伝えられ、なにか湖に異変が起こってはと、ただちに調査を開始した」
「こちら、特殊潜航艇S21号アラシ。これから北山湖の水中調査にかかります」
「よし、別に異常はなさそうだ。北山湖の調査はこれで打ち切っていいだろう」
「博士、15年前にネス湖の探検に出かけて行方不明になった、二階堂教授のことはご存知ですか?」
「知っています……彼私と同じように、恐竜にシビれてた男でしたからね……。そう、あれは15年前……。探検隊がネス湖へ出かけた時のことでしたね……」
「ネス湖探検隊が調査の打ち切りを決定したとき、二階堂教授だけがそれに反対した。そしてただ一人、ネス湖の奥深く入っていったまま……。それっきり消息を絶ってしまった」
「ここはモンスター博士の研究室だわ」
「見たな……わしの秘密を知った以上は、このまま帰すわけにはいかん!」
「わしが15年もかけて育て上げたジラースだ。命よりも大事なジラースだ。……15年もかかったんだ。15年も……わしが……わしが育てたジラースだ! ふはははははは!」
「イデ隊員・久保記者行方不明の報せを受けた、ムラマツ隊長とフジ隊員は、謎の渦巻く北山湖に急行した」
「俺がこの手で作り上げたんだ。傑作だろう? あの爛々と光る目を見てみろ、あの猛り狂った口元を見てくれ。ジラースは俺が作り上げた芸術品だ! はっはっはっは!」
「……狂ってる」
「二階堂教授! あなたは15年前にネス湖で行方不明になった二階堂教授!」
「ジラース! 暴れろ……暴れろジラース! お前の強さを見せてやるんだ!」