それは、それまでの悩んだ日々が嘘のような即決であった。
後述するが、インスパイアのアンヌフィギュアは、決して写実的な造形ではなく、二次元的アレンジがそこに存在する。
しかし、むしろそれゆえに、ウルトラアクションヒーローのセブンやウルトラ怪獣シリーズのパンドンと、同じ画面に収まっても違和感が生まれにくいという効果を生み出す。
また、このドラマのアンヌは、菱見百合子さんである前提で、田村英里子さんが演じた「アンヌ」というキャラクターであるわけで、そう考えると、現実の菱見さんを写実的に造形したフィギュアよりも「アンヌ隊員」をある種のアレンジで立体化したフィギュアの方が、本ブログの演出には、より合っていると思ったのも、即決した理由のひとつである。
しかもサイズはバンダイソフビと同じサイズなのも、願ったり叶ったり。
(これはインスパイアのレジェンドヒーローシリーズなどにも共通の仕様)
これだけの好条件が揃えば、もう迷いはなかった。

今回はいつもと勝手が違うので、どうしても文字数が少なくなってしまうが、それもそうだろう、いつも再現しているのは特撮シーンであって、このドラマでは「特撮撮影をしているシーン」はあっても、特撮で表現したシーンはほとんどないからだ。
それはしかし、ジャンルが違う以上は仕方なく、悪戦苦闘を余儀なくされた。

まずは、筆者が撮影した旧円谷社屋とアンヌフィギュアの合成。
そして、特撮シーンを想定したセブンの活躍シーン。
ウルトラセブン台本の表紙カットなど、本編にはなかった画像で、あえてドラマを表現してみた。

レジェンドヒロインセレクション 友里アンヌ
フィギュアのポーズの元ネタアンヌ写真

ポインターの疾走シーンも、『ウルトラセブン』(1967年)劇中での活躍ではなく、劇用車のポインターが、実際の住宅街を走っているイメージで画像を作成。
後述するが、ここでのポインターは、あえて「似ていない玩具」を使って「NHKが1993年に再現したポインター」を狙った。

セブンの手の上のアンヌのシーン。
実際はこのようなシークエンスは、セブン本編にはなかったが、本ドラマでは前編のクライマックスが、このシーンの撮影シーンなのである。
インスパイアアンヌのフィギュアの右手が、嵌着で可動させると、ちょうど口元に手を当てている状態に見えるので、思いついたカットだった。
セブンの右手(ドラマ内では、セブンの右手に見立てた実物大の手型クレーン)は、アシスタントをしてくれた友人の右手に、台所用ゴム手袋をはめさせて、赤い塗料のスプレーで塗装したもの。
夜間照明で撮影をして、雨のレイヤーを被せて、劇中シーンを再現した。

その後は、ドラマ内で描写された『史上最大の侵略』撮影の合間のヒトコマ」を意識して、イメージショットを2カット用意した。
アクションヒーローのセブンと、バンダイウルトラ怪獣シリーズのパンドンが、アンヌを見守っているという構図である。

レジェンドヒロインセレクション 友里アンヌ

ラストは、ドラマ後編のクライマックス。
ベトナム脱走兵を逃がそうとするダンとアンヌが、脱走兵にセブンのスーツを着せてポインターで疾走。
しかし米軍や警察に追われて、名もない港に追い詰められて、セブンを着た脱走兵青年が、突堤で空を見つめるカット。
じっと見つめるアンヌというカットで、本ドラマの再現は幕を閉じる。

今回はいつもと違い、特撮ドラマではない、特撮作品製作現場を描いたドラマを、フィギュアで再現していくという
今までにない、イレギュラーな形での再現になったが、このドラマの雰囲気を、少しでも感じ取っていただけたら幸いである。

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