サウンドファイター版と、セブン版実車との差異を、あえて挙げてみるならば、玩具ゆえのギミックが仕込まれた結果、実車と全く違ってしまった、フロントグリルのマシンガン部の違和感が特に目立ち、続いて、フロントウィンドウ下のインテークの形状や大きさや、タイヤホィールの形状から始まって、やけに高い車高やウィンカーやアンテナ、マフラーの完全省略や、ミラーの簡素化、リアウィングのマークの欠落や給油口の省略などなど、枚挙に暇がない。
いやもちろん、10年以上前の児童用玩具に対して、そこまで欠点をあげつらってしまうのも、大人気ないといえば大人気ない(笑)
つまり要は、このアイテムの持つ「いろいろ違うけど、似ている感」を、そのままNHK1993年版ポインターが持っていた違和感に置き換えて演出してしまおうという意図があったというわけである。
ここで、現在筆者が所有している主なポインターアイテムを並べてみた。
まるで往年のアオシマプラモデルの、親子マシンを髣髴とさせる図だが(笑)
これらのアイテムは左側から、食玩HDMウルトラ超兵器版、ウルトラセブン一番くじ・ウルトラメカフィギュア賞版、HGメタルメカコレクション版、食玩ハイパーメカ版、そして一番右側が、今回使用したサウンドファイター版であり、一応左から順番に、大きさで並べてあるので、今回使用したサウンドファイター版が、一番大きなアイテムである。
それぞれが、企画・生産された時代や技術も違うので、一概に、大きさ=リアリズムというわけにはいかないい辺りは面白く、また、そういう意味では一番精密に作られているメタルメカコレクション版だが、フロント周りのインテーク形状が、間違っているという結果も生んでいて、一言で、どれが一番ベストなポインターなのかは決められない。
もちろん「現代のポインターアイテム」としては、本来ここには、フジミ模型の1/24ポインターであるとか、バンダイの超メカギャラリーやキャラウィール、スカイネットのミニカーや、模型道楽の1/76メタルキットのポインターや、おそらく現代のポインターアイテム最高峰でもある、ユニファイブ製1/32究極精密造形ポインターを、ここに並べねばならないわけだが、実は筆者は、それほどまでにはポインターコレクターではない(笑)
にも関わらず、勢いと成り行きだけで、これだけの数のポインターアイテムが、コレクターではない筆者の元にも集まってしまうのだから、さすがポインターは、ウルトラ歴代車両の中で、NO.1の知名度と人気を誇る名車というわけだろう。
そういった、群雄割拠のポインターアイテムの中の一つとして考えれば、このサウンドファイター版は、むしろその商品コンセプトの明確さから、他のアイテムとは異なる立ち位置をしっかり確保していると言えるのではないだろうか。
細く精密に作られたアンテナやミラーなどは、子どもにとっては、折れやすく指に刺さりやすい、面倒な存在でしかない。
サウンド&点灯ギミックは、ごっこの時に絶大な効果をあげる要素。
メタリックシルバーと、黒のラインの正確性だけでも、結構リアリズムを感じさせてくれるものだ。
余談だが、歴代ウルトラ防衛隊メカの中でもポインターは特に、40年の昔から、シルエットに関しては破綻したアイテムは少ないのだ。
ブルマァク時代のソフビトイですら、シルエットは結構そっくりだったりする。
筆者も小学校高学年の頃、バンダイ(当時はポピー)が、第三期ウルトラブームにおいて発売した、ポピニカのポインターを持っていたが、必死にMrカラーで(プライマーも吹かずに(笑))銀色に塗り、黒ラインを塗りなおすだけで、案外納得がいくアイテムになったものである。
むしろ、ポピニカポインターは、手にとってテレビの世界の想像に馳せるには、いきなり天井が開いてセブンが飛び出すギミックの方が、厄介だった思い出がある(笑)
今回は、そんな主旨で使ったサウンドファイター版であるので、説明書通りにシールを貼っただけで、無改造・無塗装で撮影に使用している。