バルジオンは、設定上は、主人公のバイオマン達の生体粒子に反応し、そのバイオ粒子を蓄えた存在を抹消するだけのために作られたアンドロイド・シルバが最終的に操る巨大ロボ。
シルバの登場はシリーズ中盤だったが、バルジオン登場はシリーズクライマックスまでなかったため、シルバは登場序盤は、必ず「おのれ、バルジオンさえあれば!」と捨て台詞を遺して去っていくのがお約束の展開であった。
バルジオンは、それだけ人気があったため、戦隊シリーズとしては画期的な存在感と、出渕デザインのコラボで、特撮マニアの人気を得ていたロボットだった。
破李拳竜氏が練ったアイディアでは、10年以上の時を経て、東映の新旧ヒーローが一堂に会し、また悪役も、歴代の東映ヒーロー物の名悪役や脇役が登場する、『アベンジャーズ』のような一大エンターテインメントであり、最後には、僕が入ったバルジオンがラスボスで登場し、全ヒーローから渾身の「スーパーヒーローラストファイナルキック」を一斉に浴びて倒れる、という役柄であり、それは(性格の悪い奴や、間合い殺陣の技術のないバカも混じってて)ガチでキックが入って、痛かったりしたものの、「美味しい役」であるとは言えた。
肝心のバルジオンの着ぐるみは、撮影用の本物で、僕の体形でも楽に入れたほどの大柄着ぐるみ。出渕デザインを巧く着ぐるみ立体に落とし込んでおり、動くのも見かけほどには困難でもなく、歩くのも問題はない。ただ、視界が狭く息苦しいのは、コレはこの手の着ぐるみのリアルさへの担保だけに、どうすることも出来なかったのだろうと思われる。
イベントが何年のいつ頃だったかまでは思い出せないが、アトラクションショー登場キャラに『バイオマン』翌年放映の実写版鬼太郎が混じっていたということは、ちょうどバイオマンの撮影が終わって半年後ぐらいだったのだろう、スーツの劣化もなかった。
今回は、その東映ビデオフェスの写真がなかったため、映像に登場したバルジオンのスーツの写真を載せたが、これがまさか、2021年になって、バンダイのスーパーミニプラブランドから、プラモデル化されるとは夢にも思っていなかった。
一口で「バルジオンの立体化」だけであれば、本放映の頃の消しゴムや、近年の第三メーカーのソフビぐらい。
やはりそれら「駄玩具や第三メーカー商品」と「バンダイのプラモデル」とでは、格式もメジャー性も、出来も感動度も違ってくる。
詳しいスーパーミニプラ版の解説は、いずれ本サイトで紹介するが、なんていうの?最新鋭のガンプラクオリティで、「自分が演じてたロボ」のプラモが販売されたこと自体、奇跡のようでうれしくもある。
もちろん『超電子バイオマン』映像作品内では、このバルジオンの着ぐるみに入って演じられたのは、もちろん僕ではなくJACのプロの方だったが、むしろ僕クラスの素人で、東映の戦隊もののラスボスロボの着ぐるみの、実物に入った人もそうそういないであろう。
うん、これも立派な「市川大河出演仕事歴」の一つであろう。