平松 逆にですね、僕はYouTubeとかで、いろんな個別のキャラクター(スパロボのPVやプレイ動画等)紹介なんかで、各作品のキャラがアップされているのを観るんですよね。ダバの台詞だけを聞き返していくと、「うわー、歳とったなァ」とか思って、へこみっぱなしなんですよ(笑)。
――ダバとリリスが一緒になって戦ってるところがPVに出てましたけども、往年の名コンビ復活っていうところがもう感じられて、今からワクワクしておりますけれども。
平松 ありがとうございます。
――というわけで、ここから正式にインタビューに入りたい……のですが。ここは今、これを読んでいる皆さんに熱く訴えたいんですけれどもね。普通のインタビューであれば、当然の流れとして、平松さんの生い立ちとか、芝居を志したきっかけとか、お約束の質問というのがあるはずなんですが。なんと平松さんは、ご自身が代表を務める(株)ガジェットリンクのYouTubeチャンネルにて、ご自分の冠を掲げた音声コラムとでもいうべき連載を持っていらして、平松さんに関しての昔話や逸話、今思うことなどは、それら200本を超える動画を観ていくと、ほぼ丸わかりで、しかも平松さんボイスで聞くことが出来るという、僕なんかのインタビュー殺しの極上コンテンツが既にあるわけです!
『平松広和の私道』(YouTube)
――もうね、まずは皆さん、これを聴いてください。全部。とにかく全部聴いてくださいね。そして、それだけではありません。(株)ガジェットリンク所属の山城リアンさんインタビューでも触れましたが、ボイスアプリVoicyでは、平松さんご自身もチャンネルをお持ちで、平松広和氏のVoicy『声優・平松広和の私道 Mk-2』でも、ガンガン、思い出話や今現在の声優界への想いを語ってらっしゃるんですよね! もうこれ、インタビュアー何も聞くことありませんってレベルです(笑)その上で、『平松広和の私道』『平松広和Voicy』を聴いて感じたのは、平松さんは、少年時代から本当にアニメや特撮が好きな、いわゆるオタク第一世代で、その知識や思い入れは僕らの商売あがったりのレベルでクオリティが高いんですよね。
『声優・平松広和の私道 Mk-2』(Voicy)
平松 僕らの世代って、テレビにしても、好きな作品を手元に残しておくって、出来なかったじゃないですか。だから、一回観て脳裏に焼き付けるわけです。でも、記憶だけだと曖昧だから、公になるもの(YouTube『私道』等)でしゃべる時は、事前に調べるわけです。だから、いざ調べてみると「え、なに、こうだったの?」って思い直すことも多くて、結構それで思い出すことも多いですね。
――僕も古参のオタクとして心底憧れるのは『鉄腕アトム』(1963年)と『ウルトラQ』(1966年)が始まったのを、リアルタイムで観れた、というところですよね! それは素敵な体験だったんだろうという……。
平松 そうですね、やっぱりあれは、本当に衝撃と言うか……ですよね。今日も午前中、(2021年、関東圏では再放映されていた)『ウルトラQ』を見てたんですけど、やっぱり覚えてないんですよね。放映当時観ていたのに「えぇ? こんな話、あったっけ」って思って観ていると、一つの話の二十何分間の中に「あ、確かに。こういうシーンがあったな」っていう記憶はあるんですけど、本当に各話が分からなくて、逆に今観ていると面白いですね。今日(の怪獣)はなんだっけ、パゴス(『ウルトラQ』第18話『虹の卵』(脚本・山田正弘 監督・飯島敏宏)の怪獣)か。パゴスが出て出てきたんですけど、出てきた瞬間「なんだこいつ」って思ったんですよね(笑)。パゴスっていう名前を言われた時に「こいつがパゴスか」って。パゴスという怪獣の存在自体は記憶にあるんですが、そこでパゴス自身がどんな形をしてたのかっていうのは、全く記憶にないんですね。有名どころ(の怪獣)しか記憶にないんですよ。ペギラとかガラモンとか、ケムール人とかナメゴンとか、そういうのはちゃんと記憶してるんですけど。他の細かい話っていうのは、全部観ていましたはずなんですけど、やっぱり要所要所しか覚えてないから……(自分は)オタクではないですね(笑)。
……というわけで! とうとう始まりました平松広和氏インタビュー! 次回は、平松広和が若い頃大好きだったロボット特撮の話と、一転して、演劇人・平松広和黎明期の話をお届けします!
SEE YOU AGAIN!「平松広和インタビュー・2『レッドバロン』とチェーホフと」
『声優・平松広和の私道 Mk-2』(Voicy)
『平松広和の私道』(YouTube)
取材協力 (株)ガジェットリンク