(株)ガジェットリンク代表・声優・平松広和氏をお迎えして語って頂く今回は「平松広和インタビュー・11声優業界編成とアイドル声優と」
前回は「平松広和インタビュー・10俳協時代とガジェットリンクと」
――あの、一応、僕が外野として知ってるのは、2000年代当時、他の大手のプロダクションから独立とか、声優プロダクションの再編成ムーブって言うんですかね。それがざーっと起きたって流れがあると感じているんですが。ガジェットリンクの創設っていうのは、そういう流れとは一線を画して、先ほどのお話にも出て来たお二人とか、スタッフの皆さん達との協調っていうものから出てきた流れであって、完全に独立したものですね。
平松 そうですね。一人でやってた時は『ガジェット』だったんですけど、三人になって、手を繋ごうよって決まって、(株)ガジェットリンクっていう形になったんだって感じですね。みんなそうなんですけど、本当にストイックなんで、若い奴らに「芝居、上手くなれ! 芝居上手くなれ!」って、しつこいぐらい言い続けるんで、まあ、それに耐えられるかなっていうところですね、心配なのは(笑)。
――はばかりながら、私も平松さんの師匠の下で、門前の小僧ですけれども、芝居や演劇、声優というものを勉強した時代がありまして。そこで教わったのは、声優というのは、まず自分が俳優という表現者であるという誇りを常に持って、曲がった指の先から、表情から、腹式呼吸にいたるまで、全部をちゃんと組み立てていって、その中の声というものに対して、さっき平松さんは「アルチザン(職人)」という言葉を使われましたけれども、特にプロフェッショナリズムを持って挑戦するという順序であって欲しいと言う。僕みたいな老害の願いがあるわけなんですけれども。でも、声優さんのビジネスモデルというのが、かなりやっぱり、僕や平松さんが若かった時代とは異なってきている……。
平松 そうですね。
――それにやっぱりビジネスとしては、対応していかなきゃならないっていう事情は、やっぱりおありですよね。
平松 そうですね、はい。求められるもの(人材)を出せないと、事務所としてはっていうことになりますからね。