ガンプラ! あの熱きガンダムブーム。あの時代を生きた男子であれば、誰もが胸高鳴り、玩具屋や文房具屋を探し求め走ったガンプラを、メカ単位での紹介をする大好評連載。
とか言いながら、ガンプラ以外も紹介してきたのは、MiddleEdge時代から変わらず、最近では「もはや富野作品でも、アニメメカですらない」グッズまで紹介し始めた迷走コーナー!
今回は8回の連載で、東映戦隊シリーズ初期の名作『超電子バイオマン』(1984年)の、最新玩具や当時品玩具を紹介してまいります!
前回は「『ガンプラり歩き旅』バイオマン編・3 コスモフリートコレクション ジャガーバルカン バイオドラゴン」
さて、バイオマンメンバーのSUPER SHODOシリーズ、母艦のコスモフリートコレクションに続いて紹介するは、この特集のメインでもある、スーパーミニプラ版、バイオロボの紹介を、2回連続で掲載させて頂きます!
スーパーミニプラ 電子合体 バイオロボ 2021年2月 5500円
戦隊ロボも積極的に商品化している、バンダイのスーパーミニプラで2021年にリリースされたバイオロボ。このシリーズの例に漏れず、合体変形ギミックは、当時のDX超合金以上のクオリティで劇中ミニチュアが再現されているにも拘わらず、ガンプラの技術がフィードバックされていて、合体後のアクションフィギュアとしても、素晴らしい出来を誇るシリーズで、バイオロボがラインナップされた。
サンバルカンロボにも言えたのだが、合体変形ギミックで完成するプロポーションは、さすが黄金期のポピーの設計だけあって見事な完成度を誇るのだが、劇中でアクションを実際に担当する着ぐるみの方と比較すると、どうしても違和感が出てしまうのだが、これは仕方のないことなのではないか。
これら「戦隊ロボのプロポーションと格好良さ」は、常にバンダイは、合体変形ギミックを経た結果、つまり子どもが手に取る変形玩具が完成形であり、着ぐるみは、それを柔軟に組み込んだ派生型だと捉えて良いのだと思う。
しかし、劇中でメカジャイガン相手に苦闘し、懸命に戦い、剣を振り下ろし勝利するバイオロボは、常に着ぐるみの方であり、歴代バンダイ・ポピー各社のマスプロ商品を見渡してみても「可動する戦隊ロボ」は見つかっても「着ぐるみを再現した可動範囲とプロポーションのアイテム」となると、バンダイベストメカコレクションで、300円サイズで展開していた、放映当時のサンバルカンロボとゴーグルVロボぐらいしかなかったのも事実である。
さて、そんなスーパーミニプラ版バイオロボは、レビュー前編はバイオジェット単位のレビューから、合体バンクシーンの再現までを、順を追ってみていくことにする。
まずはバイオジェット1号。劇中では主にレッドワンとピンクファイブが乗り込む、ロボの上半身になるジェット。このキットの完成度は高く、キャノピー内のコックピットには、ちゃんと二人がモールドされている。
バイオジェット1号特有の「上面から見たら真っ白だが、底面から見たら真紅と漆黒」というカラーギミックもしっかり再現。その他の細かい部分やマーキングはシールによる補完。
リアビューで一つだけ残念だったのが、1号のジェットノズルはバイオロボ時の手首を兼ねるのだが、交換用手首を他にも用意するのであれば、バイオジェット時用のノズルになっている状態の手首(拳内が銀色塗装)もぜひ付けて欲しかったところである。
バランスも良く、サンバルカンロボのコスモバルカンと似通った変形ギミックでありながらも、印象を変える手法が変えてあり、シール補完も相まって、素直にカッコいいと思える出来である。
真紅と漆黒からくる、いわゆるロボになった時の正面状態であるが、色分けは細かいが以外とシール補完部分は少ない。両腕の収まりが、直角でカッチリ収まらない辺りが不満点か。
ギミックの塊のバイオジェット2号。バイオロボの合体変形を知らない人に喩えると「サンバルカンロボのコスモバルカンと、伝説巨神イデオンのイデオデルタが合体する」という言い方がしっくりする(より分かり難いという意見もあると思うが(笑))
この商品の弱点として、シールが紙シールなので、合体と分離を繰り返しているうちにバイオジェット2号のコックピット上のシール補完が、擦れて剥がれてしまうことだろうか。キャノピーのモールドも三人分あって、この辺りは好印象
シンプルに見栄えの話をすると、この商品一番のウィークポイントがこの2号のリアビュー。設定では、ロボの足首は複雑な可動をして、爪先のノズル部だけ残し、脚部内に完全収納されるのであるが、今回は完全収納するスペースが確保できなかった為か、足首部分がほぼ飛び出した状態で完成になってしまっている。ウィングの展開などで頑張っただけに、ここは残念と言わざるを得ない。
自分で言い出したネタだが、確かにイデオンのイデオデルタとの共通点は多い。そこで両サイドに伸びたウィングをどう収納するかのギミックで、どちらも苦しんだわけだが。
こうしてみると、シール補完の多さ以上に、やはり足首の「収納出来て無さ」が気になってしまう。明らかに三角形のシルエットを壊してしまっていて、まとまりの悪さを感じてしまう。
さて。そこで変形ギミックの紹介も兼ねて、いつものバンクシーン再現。
どうぞお楽しみください。