前回「魁!オモ写塾・2 「ウルトラセブンアクションフィギュアの歴史・2」「70年代末3種のウルトラセブンフィギュア」」

今回は、時代の淘汰によって、アクションフィギュアのメインストリームから外れていったカテゴリでもある「素体にスーツとマスクを装着するフィギュア」ウルトラセブンを、3メーカー3種で紹介したいと思う。
時代の取捨選択があって、現代ではfigmaS.H.Figuarts等の「ディテール関節型」フィギュアが生き残ったわけだが、そこに至るまでに歴史は迷走していた時期もあったのだ。
なにより、我々「マスコミ玩具第一世代」にとって、タカラ変身サイボーグ1号のインパクトが絶大だったことは異論を挟む余地はなく、また(推測になるが)新規インディーズメーカーがフィギュア界に参入する時、変身サイボーグ1号を踏襲した「素体にスーツとマスクを装着するフィギュア」である方が版権が取りやすかったのか、1996年に、まだ当時は新規新興企業だったメディコムトイが、リアルアクションヒーローズデビルマンを発売。
この、リアルアクションヒーローズ(以下RAH)デビルマン、スーツの生地が布地であったり、まだまだ実験的な商品の域を出ていなかったが、逆に「デビルマンというチョイス」がマニアのツボをいきなり突いた。
今もwebで写真は見れるはずなので、お暇がある人はぜひご覧いただきたいが、かつてのタカラの変身サイボーグ1号版のデビルマンは、アニメ化もかなりタイトなスケジュールな中で商品化が進んでいたからか、よくもわるくもその造形は「TVアニメ版と、原作後半のリミックス」というしか出来ないマスクの造形で、複雑な思い出と共にあったのだ。
だからこそ、メディコムRAH版デビルマンは、そのリベンジとして、最適化されたアニメ版デビルマンの立体化クオリティと、当時の無念への補完を兼ねた、最高のスタートを切ったのだ。
「僕は子どもの頃、変身サイボーグ1号が大好きだったんだ!」
そう叫んで、新たに発売される、ハイエンドな「現代の変身サイボーグ1号」とでもいうべき、「素体にスーツとマスクを装着するフィギュア」を買いあさってもよいのだ。筆者たちは半ば真面目に感動に打ち震えていた。

マーミット SAH SH-017 1/6 ウルトラセブン 1997年 8800円 30cm

メディコムのRAHシリーズが、主に東映系ヒーローから展開していったのに対し、真っ向から「いきなりウルトラセブン」で勝負を挑んだのは、こちらも新興企業マーミットで、その初期の看板商品枠・スーパーアクションヒーローズ(以下・SAH)のウルトラセブンだった。
「超リアルな造形と、全身18箇所可動のアクションボディで、史上最高のヒーローが今、ここに蘇る!!」を謡い、先陣を切っての商品化であった。商品そのものの評価はこの後記すが、まず先にシリーズのその後を語れば、SAHシリーズはその後、シルバー仮面やスペクトルマンやレインボーマン等を10種類ほど出した後、急に路線変更をして、デーモン小暮閣下以下の聖飢魔Ⅱのメンバーを5人発売して終了した。
「どうしてそうなった?」という問いかけは当然だろう。当時を知る筆者はその流れと理由は存じているが、墓まで持って行く話でもあるので、ここで記すのは差し控えたい。

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