ガヴァドンB

さて、そういう経過でガヴァドンAは、一番くじ景品という、またとない逸品に巡り合えたことで解決をみたのであるが、むしろ問題は、このガヴァドンBの方であった。

ある意味、ガヴァドンの怪獣としてのアイディンティティは、ガヴァドンAの方に、全てが集約されていると言い切っても良い。

「子どもの落書きが生み出した怪獣」というコンセプトは、もちろんガヴァドンAの方が、分かりやすく体現しているわけで、むしろガヴァドンBのデザインは(それが演出上の目論見ではあるが)普通の怪獣に「成り下がってしまった」感が強い。

実際、成田亨氏によるガヴァドンBのデザインは、本来『ミイラの叫び』の、ドドンゴ用として描かれたものであったし、つまりガヴァドンAは、普通のもっともらしい怪獣としてデザインされていれば、むしろそこで「怪獣らしさや、やる気のない」演出との、ギャップが相乗効果を生むわけであり、むしろ没個性であるほうが、「らしさ」が出せたのである。

結果として、ウルトラマンとの決戦は、ガヴァドンBが担当するにもかかわらず、今では誰もが第一印象として「ガヴァドンといえば」でAを思い出すという、そんな形が出来上がってしまったわけである。

だから、フィギュアなどでガヴァドンを商品化するときでも、まだガヴァドンAの方が機会に恵まれていて、Bの出番は、Aよりさらに少ないのが現状なのである。

それでもまだ、バンダイの2010年代の新規ウルトラ怪獣シリーズや、食玩怪獣名鑑HGガシャポンなどでは、ガヴァドンBも商品化されているので、コレクターレベルであれば満足も出来るが、筆者のように、ソフビ旧サイズのアクションフィギュアと絡めて再現特撮を行おうなどと思う、酔狂な立場にしてみたら、ウルトラマンと直接戦闘で絡むことになるガヴァドンBの、ソフビサイズの、まともな立体物がどこからも出ていないという現状は、頭を抱えるしかなかったのも、また事実である。

同じように、食玩やHGでは出ていても、ソフビサイズでは見当たらないという、『ウルトラセブン』の、アンノンやアイロス星人などは、特撮再現においても、セブンとの直接の絡みカットは少ないので、サイズが違うフィギュア同士を、別カットで撮影するという手法も取れるが、ガヴァドンBの場合は、延々とくんずほぐれつの戦闘をウルトラマンと繰り広げるので、合成ばかりに頼れない。

さて、どうしたものかと悩んでいたが、一応そもそもの選択肢だけはあるにはあったのである。

それは今回使用した、ベアモデルのスタンダードサイズソフビ。オール怪獣コレクションのガヴァドンB。

大きさ的にもギリギリ許容範囲ではあるが、その過剰とも思えるディフォルメセンスと(おそらくブルマァクのケムラーやマグラー辺りの、ブルマァク仕様っぽさをわざと狙ったと思われる)、「映像作品では四足歩行怪獣なのに、ソフビは二本脚で立つ仕様」は、筆者が求める演出用小道具の線引きとしては、その、手抜きっぽい塗装も含めて、ギリギリアウトであった。

しかし他に選択肢はない。

一応ガヴァドンBのフィギュアとしては、過去にユニファイブが発売した、リアルタイプのガヴァドンBもあったのだが、こちらは30cmサイズで大き過ぎた。

ウルトラマンとの闘いが結局合成になるならば、食玩やHGでも構わないわけで、実際クランクイン直前までは、HGガシャポンと食玩怪獣名鑑のガヴァドンBを用意していた。

そろそろ、クランクインしなければという時期が迫った2007年末。

ベアモデルのガヴァドンが、数百円スタートでヤフオクに出品された。

ベアモデルガヴァドン使用を躊躇していた理由の一つが、平均取引価格の対費用効果であったので、数百円ならばと軽い気持ちで入札。

そうしたら、そのままラッキーにも落札できてしまったので、どうせ他に、合うサイズのフィギュアもないのだからと、腹を括って撮影に使用することにした。

しかし、再現特撮に使用するのであれば、なんとか筆者が自分の中で設定してある「リアルのレベル」には、近づけなければならない。

本当なら、せめて四足状態へとカスタムでもしたかったのが本音だが、技術も時間もない以上は、なんとか出来る範囲で塗装で誤魔化すしかなかった。

まずは、ソフビの基本塗装を活かす方向で、オレンジの体色は残した。

その代わり、体の底面をセールカラーで塗装。

背びれの膜の紺色も塗装して、唇もピンクに塗る。

つぶら過ぎる上に、二足で立ったときに正面を向いていた目は、眼球を白くリペイントした上で、瞳を上目遣いになるように塗り替えた。

後は全体に墨入れを施して、リアル度を増して中和させている。

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