というわけで、まず連枝第一回のお題がこちら。
ウルトラセブンアクションフィギュアの歴史
手元に正確な資料がないので確実な事は言えないが、怪獣ソフビの始祖、マルサンが『ウルトラマン』(1966年)放映時期から、マルザンに社名変更して『ウルトラセブン』放映開始までの期間のどこかで、ソフビ人形の延長線上として、ソフビではなくポリ製でジャイアントウルトラマンの商品を発売したことは、アンティークトイの好事家の世界では基本知識である。
写真を見れば分かる通り、このジャイアントウルトラマン、材質が違うだけではなく、肘が曲がった形で造形されており、しかもその肘に嵌着を設けることで回転可動が可能なため、ある程度腕のポーズに変化がつけられて、十字にはならないものの、スペシウム光線の真似事のようなポーズも可能になるように商品が出来上がっている(同様のサイズとギミックで、快獣ブースカのポリ製人形も確認されている)。
近年、新興マルサンがこの商品の復刻版を出したらしいが、非常に原始的かつ限定的とはいえ、首、両肩、両足付け根、腹部までが嵌着の仕様を伴った可動部であるのがソフビだという前提で語れば、ソフビ以上の可動遊びが出来るウルトラフィギュアの元祖が、この商品であることは間違いない。
その上で、あらためて今度は、ウルトラセブンに絞り(なぜセブンに絞るのかは後述)、ウルトラヒーロー可動フィギュアの歴史を、今回はざっと辿ってみたいと思う。
ウルトラシリーズは70年代中盤までは、ずっと玩具メーカーのソフビが主力商品だったため、ことウルトラセブンや怪獣は、電動歩行式等のプラモデルで商品化されることはあっても、基本、ソフビの状態で怪獣や宇宙人ソフビで絡ませるしかなかった。
それを、現代で例えばオモ写風に再現すると、例えばこうなる。
現代のウルトラ玩具ファン、オモ写者からすれば失笑ものの一枚だろうが、マルサンやブルマァクのソフビは「磨けば光る逸材も多い」ことは立証済みなので、実は筆者の中でも、秘めた大実験というのも構想の中にはあったりする。それはいずれ……。
閑話休題。
そうしたマルザンやブルマァクのソフビとは全く違う方角から、そんな時代のウルトラセブン可動フィギュアとしては、いきなり最高級レベルの商品が、1971年にタカラから発売された。
それ正式には『正義の味方』シリーズと名付けられていた。
ここで一つ目の「なぜ今回のテーマがウルトラセブンなのか」への第一回答が出るのだが、面白いもので、現代の視点でウルトラヒーローの筆頭といえば、初代ウルトラマンを誰もが思い出すはずなのだが、こと、放映リアルタイム商品ではないウルトラヒーロー商品は、なぜかウルトラマンではなく、ウルトラセブンから商品化されることが多く、それゆえ今回の記事の年表的な意味でも、題材をセブンに絞り込んだ方がより適切だということが言えたのだ。