『正義の味方』シリーズは、今でもメディコムリアルアクションヒーローシリーズ等で採用されている「サイズは12インチ、1/6」で「フルアクションの素体」に「マスクとスーツを被せることによって、既存のヒーローのアクションフィギュアになる」の商品枠の元祖であり、もちろんそのビジネスは、タカラがライセンスをとって販売契約していた米国ハスブロ社の「GIジョー」をベースに、もっと幼児層にユーザーの開拓を狙った商品であると言える。

この『正義の味方』版ウルトラセブン、手首こそ素体のままだが(けれどもしっかり真紅に塗ってある)、スーツのプロテクターも立体的に処理されていて、マスクの造形も伝説のマルサン(大)版に勝るとも劣らずという出来栄えを誇る。
都市伝説かもしれないが、なんでもこの『正義の味方』の前に、キャプテンアクションと銘打った、同じ仕様の着せ替えアクションフィギュアのシリーズがあり、その広告にはウルトラマンの商品が掲載されていたと話には聞いたことはあるのだが、実際の現物を見た人は誰もいないので、文字通り幻のような存在で、今回は『正義の味方』版ウルトラセブンを始祖としたい。

『正義の味方』は、試行錯誤の時代だったゆえか、採算度外視レベルの緻密造形と再現度で、シリーズもその後、ウルトラ警備隊員、帰ってきたウルトラマン、MAT隊員、シルバー仮面、シルバー仮面ジャイアント、ミラーマン、月光仮面(アニメ版)、変身忍者嵐と続き、ウルトラマンAの発売はアナウンスされていた1972年辺りから、タカラは仕切り直す形で、新規ブランド「変身サイボーグ」へ移行。多少のコストカットとルーティンを確立した結果、この「素体フィギュアにスーツとマスクでヒーローを再現するフィギュア」というカテゴリに競合他社がいないためか、円谷プロ、東映、東映動画、ピープロ、萬年社、日本現代企画、他70年代の百花繚乱ヒーローバブルを、ほぼ総取りで商品化し、独占市場として安定したクオリティで商品を展開し続けた。
変身サイボーグ唯一の弱点が、30㎝サイズの1/6スケールだったため、どの社のどのヒーローを商品化しても、それと戦わせるに足りるサイズの敵キャラが、最後までどこからも発売されなかったことか(そこを配慮され、変身サイボーグでは、表向きはヒーローだが、見た目はどうみても『仮面ライダー』(1971年)辺りの怪人にしか見えない、バードマン、ビートルマン、フィッシュマンといったオリジナルキャラや、改めてオリジナル悪役キャラのキングワルダーなどといった商品展開も行われた。

変身サイボーグ フィッシュマン

正義の味方に続いて変身サイボーグでもウルトラセブンは発売されたが、胸のプロテクターが、材質とシルエットに拘ると、遊んでいて剥がれやすくコストも高いため、何段階かの変化を伴って、廉価版に変わっていったが、当時のインパクト的には、それは決して評価を下げる要因とならず、筆者のような「電動歩行やロケットパンチよりも、テレビと変わらぬアクションをさせたい」層はきっといたはずで、それは数十年経った現在のアクションフィギュア史上市場が、何よりも証明しているといえよう。

変身サイボーグ ウルトラセブン

そこでは、ウルトラマンも仮面ライダーも、マジンガーZまでも(!)皆等しいレギュレーションでアクションフィギュア化されたわけだが、変身ブームも終わった頃、ちょうど『ウルトラマンレオ』(1974年)も終わって、ブルマァクが新規ソフビを発売しなくなった頃には、変身サイボーグの販売展開も終了していたのだった。

その間筆者が知る限り、競合他社商品といえるものは、『タイガーマスク』(1969年)ソフビで一世を風靡した、中嶋製作所による『科学忍者隊ガッチャマン』(1972年)の人形商品ウルトラアクションボーイであった。

『科学忍者隊ガッチャマン』アクションボーイ 中嶋製作所

「フィギュアにスーツを着せる」「ヘルメットが脱着可能」等、タカラの変身サイボーグを意識した仕様にはなっているが、素体フィギュアのアクション可動はそれほど高くなく、後継商品も続かなかった。
その他でも、ブルマァクが『ウルトラマンレオ』時に、簡易ソフビ素体に、ウルトラセブンとウルトラマンレオの二種類のスーツとマスクを着せ替え出来る(ウルトラマンタロウのバージョンがあるという説もある)商品を発売したという気録はあるが、店頭で観た記憶はないので、あまり評判は良くなかったのかもしれない。やはりここは、GIジョーのノウハウを受けついだタカラの独壇場であり、ブルマァクはソフビやプラモの会社であったのだ。


次回は、そのブルマァクが倒産する70年代末に起きた、現代に繋がるアクションフィギュアの誕生とそこからを語ってみたい。

次回「魁!オモ写塾・2 「ウルトラセブンアクションフィギュアの歴史・2」」

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