パオロ「どういうわけだ!? 子供がガンダムを操るとは」
ミライ「あ、あの子なら」
パオロ「知っているのか?」
ミライ「よくは知りません。でも、サイド7では、機械好きで有名な子なんです」
パオロ「ジオンのザクを倒したのもその少年なのか?」
アムロ「ガンダムの性能のおかげで倒せたんです」

男性オタクの方は「怪獣倶楽部」「PUFF」など、どうしてもお堅い評論視点で同人誌を構成することが多かったアニメや子ども番組シーンへのアプローチに関しては、とにかく女子の方がアンテナが鋭く、柔軟性や行動力も高かったことは、あえて資料を漁るまでもない「当たり前の事実」だったのである。

かくいう筆者も、『ガンダム』が騒がれ出した放映終了直後は中学2年生。もともと傾倒していた『ウルトラマン80』(1980年)は初期だけは観ていたが、いわゆる中2という、一番背伸びしたい時期でもあったので、嗜好はテクノミュージックや映画、Rockに移り、子ども向けテレビコンテンツは、東映ヒーロー物は『アクマイザー3』ロボットアニメは『超電磁ロボ コン・バトラーV』(それぞれ1975年1976年)で、いわゆる“卒業”していた世代であった。

そこへ、なにやらクラスの女子が騒いでいる。他ならぬ、筆者自身の彼女さんも輪の中心でワイワイやっている。何をそんなに盛り上がってるのかと尋ねてみれば、『ガンダム』という聞きなれないタイトルが飛び込んできて、あぁロボットアニメねと思っているうちに、シャア×ガルマだのシャア×アムロだのという単語が飛び交い始めて、相当入れ込んでいる彼女さんに「今ちょうど再放送をしているので速やかに観なさい。名作だから」と勧められて、その日夕方家に帰ってテレビを付けてみれば、確かに『機動戦士ガンダム』なるロボットアニメが放映されていて、筆者がたまたま目にした初の回は、こともあろうに第15話『ククルス・ドアンの島』だったというオチがつく。

セイラ「およしなさい」
シャア「勇敢だな。軍人ともゲリラとも思えんが」
セイラ「動くと撃ちます」
シャア「似ている」
セイラ「ヘルメットをとってください。そして、後ろをむいて下さい」
シャア「し、しかし……アルテイシアにしては……つ、強すぎる……」

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