前回は「『シン・機動戦士ガンダム論!』第14回『ガンプラを語り尽くせ!・6』」
現代のガンプラの評価
筆者などの、ガンプラ第一次世代からすれば、“肩が上がるゲルググ”や“ライフルを両手で構えられるガンキャノン”辺りで既に「長生きはするものだ(モデラー的な意味で)」なのだが、今のご時世は、そんな過去の遺物のスペックなどお構いなしで、重モビルスーツだろうが、水中用モビルスーツだろうが、肘や膝が180度折りたためて、首が上下左右に捻れて、股関節は180度開脚出来て、それでも足の接地性は高くなければ落第という(それって無茶な注文だよなぁといつも思うが……)評価基準が基本で、webで多数見られるガンプラ系レビューサイトなどでも、どんな性格のどんなモビルスーツであっても、「種ポーズ(『機動戦士ガンダムSEED』(2002年)の作画でよく見られた、腰を捻って両足を大きく開脚し、斜め前方へ向かってビームライフルを構える見得きりポーズ。そしてその構図のネットスラング)」でキメとなっている、むしろそのポーズがとれないガンプラは及第点をあげられないというカルト性には、少し違和感を覚えざるを得ないのが本音ではある。
一方でガンプラの素材に関しては。
ここまでガンプラは、いかにして接着や塗装の手間を省いて、パーツを切り取って組み合わせた完成品にシールを貼るだけで、完成度の高いモビルスーツにできるかを目指して技術革新が行われてきたわけだが、その進歩は(ちょっと捻くれた)逆の言い方をすると、既にそこでのプロセスが、本来の模型作りではなくなってしまっていて、言うなればエンドユーザーがいつの間にか、模型工作趣味人ではなく、「完成品フィギュアの工場で働くライン工の職人」のようになってしまっているのもまた事実。