脚部の展開。向かって奥の右脚がモビル・スーツ状態での通常状態で、そこから脛裏のアーマーをスライドアクションさせて、手前の左脚のように浮かせて、さらに膝関節を折り畳むように曲げる。
これも変形モビル・スーツアルアルだが、手前の左脚のように開いていた足首部を、奥の右脚の足首のように閉じる。
肘関節も折り畳み、うつぶせにさせて、肩アーマーの後方と、脛裏アーマーの先端をジョイントさせる。
変形状態での各パーツのタイミングは、旧キットよりもタイトだが、写真の状態からさらに各部の位置決めを煮詰めていって、脚部と腕部を完全に一体化させる。
完成してみると、確かにこちらの方がシルエット、パーツバランス的にもメイン形態と言われて納得は出来る。その文章設定自体は後付けなのだろうが、この「いかにも作業ロボット的な人型から、スパルタンな戦闘機スタイルへの変形」は、旧キット時代でも1/144でほぼ完璧に再現されていた。
今「スパルタンな戦闘機スタイル」とは書いたが、それは元のモビル・スーツ形態時からの変化の言語化であって、メタス飛行形態は他の変形モビル・スーツの飛行形態と比較すると、箱型感が強く、ちょっと輸送機っぽくもあり、それがまた戦闘用メカとしての非力さをビジュアルで表しているようでもあって「そこ」がよいとも言える。
メカの画的には有効なバイプレイヤーとして活躍したメタス。パイロットの流れ的に女性的イメージの強い機体だが、放映当時の旧キットの出来の良さを、さらにブラッシュアップしたともいえるこのHGUC版も、買って損はないよと太鼓判を押しておこう。