前回は「岡本麻弥アクトレスインタビュー・2『岡本麻弥と「Zガンダム」と大人の恋愛と』」

今や女性声優の大御所にして常にトップを走る表現者、岡本麻弥さんへのインタビュー第3回。今回は『岡本麻弥と「ガンダムZZ」と女優という道と』です。

――こうしてエマ・シーンのエピソードを伺って思うのは、ご自身の年齢と近いという意味では、岡本さんとしては翌年『機動戦士ガンダムZZ』(1986年)のリィナ・アーシタの方が演じやすかったのでしょうか。

岡本 そう言われると、どうでしょう。私はあまり考えずにやるもので……年齢が近い分理解がしやすかったということはあるかもしれません。リィナとの出会いも印象的だったのでよく覚えています。あの当時は今と違って、アニメが 2 クールや 4 クールで放映されることが多かったじゃないですか。『機動戦士Z ガンダム』(1985年)もそういう前提で一年間やっていて、初めてのレギュラーが終わるという経験をしたんです。すごく悲しかったんですよね。しかも実は Z の収録が始まった頃私は高校 3 年生、受験生で大学受験のために一回収録をお休みさせてもらったりもしたんですけど、大学入試に落ちてしまった。そんな状態で始まった初のレギュラー番組が終わってしまって。もう声優の世界で生きていくしかない(笑)そんな時、取材で頂いたアニメ雑誌をめくってると、『Z ガンダムの次はガンダム ZZ!』っていうページにぶつかったんです。それで偶然にもピンクの服を着た女の子のキャラ(リィナ・アーシタ)を見つけて、「あ、可愛いな、この子は誰が演じるんだろう」とうっすら思ってたんです。そしたら、程なくプロデューサーから電話がかかってきて、「リィナ・アーシタ、あなたがやるのよ」って言われて(笑) だからオーディションも受けずに役が決まってしまって、すごく驚いたし、とても嬉しかったのをよく覚えていますね。

イラストレーション・青ビト氏

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