しかし、ガザシリーズでガザCの次に開発された(『ガンダムZZ』で登場する)ガザDは、見た目はほとんど変わっていないにも関わらず、モビル・アーマー形態時の戦闘力は、単独でビグロに匹敵すると設定されている。
おいハマーンんんぅうう! CとDの間で何があったぁああああ!?
「もとは宇宙空間用有人人型作業機械だったものを、兵器として運用する」という基礎設定は、今では有耶無耶になってしまったが、当初の『機動戦士ガンダム』(1979年)のモビル・スーツの始祖、ザクが持っていた設定であった。それゆえに、ジオンの意思を継ごうとしたハマーン軍の量産型モビル・スーツのバックボーンとしては「由緒正しい」設定なのかもしれない。
小林誠氏デザインに通じるコンセプトなのか手癖なのか作風なのか。やはりバウンド・ドックにも繋がるフリーキーな人型からの脱却さが見てとれる。変形優先だったからか、デザイン上での狙いからか、「胸と腰が極端に離れた胴長さ」等は、むしろ出渕裕デザインのガザDには受け継がれなかった要素ではある。
そもそもが劇場版『Zガンダム』に合わせての商品企画であったため、ナンバリングのシールは付属。ガザCのメイン武装のナックル・バスターはボディに接続されているため、実質の付属武装はクリアパーツを使ったビーム・サーベル一つだけということになる。一番下段の蓋パーツについては変形の項で紹介。
ドーム状のモノアイに十字のディテールと言えばリック・ディアスを思い出すが、あちらは地球のエゥーゴの機体で、こちらは外宇宙から戻ってきたアクシズの機体。この辺りからもデザインの錯綜ぶりがうかがえる。キットのモノアイはクリアパーツで成型されている。
機体の性能や成り立ち、運用的に、どうしても集団運用のイメージが強いモビル・スーツである。
肘はきっちり90度曲がるし上腕ロールもある。ただこの上腕ロールが、変形機構とリンクした動きをするため、肩の円柱基部と連動しているのでポージングには工夫が必要。また、ガザDでは上腕に背と属されていたバインダーだが、ガザCの場合は前腕に接続されている。