正面から見たモスラ

これは「マルサンの怪獣ソフビが」というよりは「東宝の怪獣が」の問題なのだが、それらはあくまで「特定の経験値とノウハウで撮られる巨大怪獣」という共通性以外は、まだその初期は試行錯誤や挑戦精神が優先され、怪獣というひとくくりでは言い表せない、まったく異なる生物形態をモチーフにした「怪獣」が続々と商品化されていた時期なのである。
モスラは特に、登場した映画が社会風刺を組み込んだ、コメディファンタジーの要素も多く含まれている寓話的作風もあり、モスラ自体も蛾がモチーフであったわけなので、その優雅さや美しさは、女児が観ても違和感がない作品ではあったので、このソフビも少なからず1966年当時、手にした女児も少なくないのではないだろうか。

ブルマァク復刻版同士のモスラ対ゴジラ再現

塗装は、ブルー成型に赤茶色や黄色でスプレーワークという仕様は当時品と大枠では変わらない。唯一異なるのは、マルサン当時のモスラは、複眼の目はゴールドで塗装されていて、それゆえ残存している当時品は、目だけ色落ちしている物も少なくないのだが、この復刻版では目だけは黄色で塗ることで差別化を図っている。(同じ原型商品でも、ブルマァク時期は、青成型を一度濃緑でほとんどざっくりくるみ塗装していたりした商品が現存しているのも確かである)

まぁ思い出補正は否めないが、あの時代の技術論の範囲での「モスラ玩具」の最適解ではあるだろう。

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