モスラ上面 最低限の色数で派手さを醸し出している

さて、そんなモスラソフビであるが、そのクオリティや出来具合を述べる前に、復刻版の複雑な事情が垣間見えて苦笑いするしかないネタから。

この時期のブルマァク復刻版ソフビ共通のタグなのか。謎な表記

これは、1992年にバンダイがウルトラ怪獣などと共に、B-CLUBレーベルからブルマァク復刻版を展開開始した初期のタグ。そこには「この商品は、1966年に株式会社ブルマァクより発売された当時の金型をそのまま使用し、限定生産したものです」と但し書きが書かれている。
これ、いろんな意味で「複雑な事情」で「こう書かなきゃいけない」但し書きであって、完全に事実と異なっているんだよね。
そもそもブルマァクとは、それまでマルサン商店(マルザン)が製造販売していた怪獣ソフビの金型を、倒産と共に譲り受けた元マルザン社員が1969年に興した企業であって、確かにその時点で元の金型を譲り受けて生産販売ビジネスを行ったわけであって、つまりこのモスラソフビ(だけではない多くのソフビ)はもともと金型が最初に出来た1966年の段階では「マルサン商店のソフビ」であって、その時点ではまだ歴史にブルマァクという企業はなく、その金型と権利が60年代末にブルマァクに譲渡されたという事実が前提なので、「1966年から1967年」当時に「株式会社ブルマァク」との繋がりがそもそも矛盾する文章になってしまっているのである。
また、この復刻版商品が発売された90年代初頭には、まだブルマァクもマルサンも再興されておらず(2023年現在は双方再興されており、復刻版合戦を繰り広げている)、その文は(絶対にマルサンの名前を出したくなかったのであれば)正確には「最終的にブルマァクに権利が渡った」と記述すべきだったのだろう。70年代に入るまでの怪獣ソフビ市場の歴史の混沌さが伺えるタグの文章である。(あと揚げ足取りだが、ゴジラはともかくモスラは最初の発売年は1967年でもある)

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