南方・秘境の島、多々良島を舞台に繰り広げられた怪獣達の競演。
本来であればこの回を再現するに当たっては、その南方の島の持つ秘境性をセットで表現すべきだったのかもしれないが、今回は、あくまでパーマネントセットで再現する形を選んだ。
まずは、科特隊基地から発進するジェットビートル。
島についてすぐさま眼にしたのは、レッドキングとチャンドラーの凄惨な戦い。
レッドキングはともかく、チャンドラーのソフビは可動箇所がほぼ皆無なので、演出付けに困ったのだが、アングルと構図で工夫した。
チャンドラーに噛まれたレッドキングの肩から流れる血や、羽をもがれたチャンドラーの腕の付け根の血はフォトショ描画。チャンドラーの羽は、実際にソフビの羽を外して撮影を行った。
チャンドラー敗退の後に現れるマグラーは、一つはソフビ道というミニサイズのソフビ。土の中から現れる表現は、実際にセットに土(ピートモス)を敷いて撮影。
マグラーの演出では、四つんばい姿のソフビ道と、立ち姿のHGガシャポンのマグラーを使い分けて撮影。
マグラーを絶命させるナパームの爆発は、バンクカットから。
ピグモンは、ソフビ道版を撮影したカットを、ネットで素材写真として売っていたジャングルの写真に合成。3カット目は食玩の怪獣名鑑版を、岩セットを背景にしてそのまま撮影している。
再び現れるレッドキング。
ピグモンに投げつける岩は、発泡スチロール素材を切り出して作った物。
絶命していくピグモンは怪獣名鑑版。
ウルトラマン登場。
いつものように、ウルトラマンのカラータイマーの光の他、土煙、移動ブレぼかしはフォトショップ描画処理。
この戦いでは、本編でもカラータイマーは青のまま終了したので、再現画像でも、カラータイマーは青のまま戦闘終了している。
本編同様、『光の国から愛をこめて』では最多数になった4大怪獣のイベント回。
怪獣達の豪華な競演が、楽しんでいただけたら幸いである。
レッドキング
レッドキングは、バンダイウルトラ怪獣シリーズのソフビを撮影に使用。
レッドキングは、ウルトラ怪獣の中でも、一・二を争う人気怪獣であり、もちろん、この商品が始まった1983年の初版ラインナップから、商品化されている定番怪獣である。
1983年版は、その造形・ポージング共に、過去のレッドキングソフビの概念を覆すシリーズ屈指の出来であり、長らく人気・売り上げ共にトップクラスを誇っていたが、長年の金型補填の結果、段々サイズが小さくなっていき、90年代終わりには初期商品よりも、頭二つは小さいという大きさになってしまっていた。
その間の造形技術の進歩を受けて、2000年にリニューアル発売されたのが、今回使用したバージョンの商品である。
新バージョン・レッドキングは、造形・塗装共に更なる進化をとげて、おそらくマスプロ商品では初であるだろう、その特徴的な足の指の形状も再現されるなど、今度こそ決定版と呼ぶに相応しい高レベルなアイテムに仕上がっている。
今回は、この文句のないアイテムを、全くの無塗装・無改造で使用。
ただ、個人的な好みから言えば、レッドキング独特の躍動感ややんちゃ小僧のようなキャラクター性を考えるとき、ことポーズに関しては、新規造形版よりも、1983年版の腕のつき方の方が筆者的には好みであったりもする。