本話再現より、『ウルトラセブン』(1967年)再現に限り、熱狂的なウルトラセブンファンである、女性絵師である蓮恋さんによるイラストで、本編ドラマ部分を再現していく補完として、協力していただいたイラストを併用していくことになる。
さて、筆者による再現特撮であるが、『ウルトラセブン』初期は、等身大クライマックスが多いため、本ブログでの再現演出は苦労させられるものが多い。
今回はその典型でもあり、限りある期限の中では、かなりの労を費やした作品に仕上がった。
費やした労と出来上がりのクオリティというものは、いつだって必ずしも一致するものではないが、今回の苦労の跡を綴ってみたいと思う。
まずは、本話を再現演出する上で決して避けては通れないのが、アンヌの部屋におけるダーク・ゾーンの再現だろう。
筆者はあくまで、特撮セットを再現するルーティンを蓄えてはきたが、等身大のセットを再現する技術は持ち合わせていない。
さてどうしたものか。
思案する毎日が数週間続いた。
突破口となったのは、アイテム紹介で詳しく書くが、食玩ウルトラ名鑑の「ダーク・ゾーン」であった。
この食玩はヴィネット形態で、アンヌの部屋とまではいかないものの、ペガッサ星人が現れたアンヌの部屋にあった、ソファ(半分だけ)・サイドボード(半分だけ)・花瓶を、小さいサイズながらも再現してくれている。
これを利用して、アンヌの部屋を再現しようと、アイディアをひねり出して取り掛かった。
まずは、アンヌの部屋をこの角度から写すのであれば、背後に貼ってあった宇宙地図は必須になってくる。
DVDのキャプチュア画像を何枚も切り貼りして、なんとか宇宙地図の全体を再現した。
それを、アンヌの部屋の壁の色の真ん中に配置した画像を、食玩のサイズに合わせてカラープリンターで印刷した。
それを背景にして、食玩を撮影する。
半分しかなかったソファとサイドボードは、フォトショでコピー延長して、そこにフォトショ描画でダーク・ゾーンを描きこんだ。
一枚目と二枚目のカットでは、微妙にダーク・ゾーンの形を変えてある。
そして次の難関が、大宇宙に浮遊するペガッサシティだった。
ワンダーフェスティバルなどで販売されたガレージキットはわからないが、筆者の知る限り、ペガッサシティの立体物は過去にも例を見ない。
(この再現特撮を行った2007年の春には、まだ食玩「円谷倉庫」は発売されていなかった)
ここで選べる選択肢は二つ。
腹をくくって自分でペガッサシティを作るか、ペガッサシティが出てくるカットを諦めるかだ。
悩みに悩みぬき、一時期は後者を選んだこともあったが、稚拙を承知の上で、一応自作に取り掛かってみることにした。