東海地方屈指のリゾート地域・熱海を舞台にした、ウルトラマンとギャンゴのコミカルな戦いの再現は、青空背景ホリゾントの前に特撮プールを用意して、その上に紙工作ビルを並べたグレー土台を敷いたセットで行った。
伊豆地域の雰囲気を考慮して、紙工作ビルの背後には緑山のセットも配置。
筆者が用意できるパーマネントセットの範囲で雰囲気を再現してみた。
オープニングは、空から落ちてくる謎の石のカット。
これは空背景ホリゾントを写した写真に、光をフォトショで描画。
2カット目はウルトラバトルゾーンの科特隊基地。
3カット目の疾走する科特隊専用車では移動ブレぼかしをかけた。
やがて暴れだすギャンゴ。
迎撃する科特隊のビートルの攻撃では、翼端のミサイルに発光処理を施してある。
ギャンゴの暴れっぷりを演出するため、セットには破壊されたビルも配置。
ビートルは全て操演、攻撃や爆発炎はバンクショットから。
水中で変身するハヤタ隊員。
実際にプールの中にフィギアを沈めて撮影した写真に、上から青セロファンのレイヤーを、透明度を上げて重ねてある。
登場するウルトラマンは、いつものようにカラータイマーの発光を描画。
ギャンゴとの戦いでは、互いの腕や足、土煙などにフォトショ処理。
セット前方のプールを使用しての、ギャンゴとのコミカルな戦闘描写。
最終的にギャンゴが消えるカットでは、本編のように、まずビル残骸を抱えたギャンゴの画像を用意して、次のカットではギャンゴを除いて撮影した同じカットに、前カットでギャンゴが抱えていたビル残骸だけを合成して作成した。
ギャンゴ
脳波怪獣と呼ばれるギャンゴは、バンダイのウルトラ怪獣シリーズソフビ。
ギャンゴのソフビは、他の人気怪獣達と共に1983年に発売された。
実際の作品に登場するギャンゴは、ベムラーを改造したスーツであるが、バンダイ怪獣ソフビのギャンゴはベムラーとは別途造形作品。
初期のバンダイ怪獣ソフビに共通する、四肢の付き方がロボット的な難はあるが、1983年版のアイテムの中では、出来は中々良い方に入るだろう。
塗装も頑張っていて、ギャンゴ特有のトーテムポールカラーリングも、細かい部分まで正確ではないものの、この時代の塗装行程を考えれば、充分に評価に値する出来上がりになっている。
成田的キュビズム立体把握の妙味のあった、耳の造形が陳腐なのは残念だが、口中もしっかりと開口されていて、しっかりリペイントしてやれば、意外と立体栄えするアイテムだったりするので、今回もリペイント。
まずトーテムポール模様を、筆者で確認できる範囲で修正塗装。キャラクターイエローとレモンイエローとホワイトでリペイント。耳のアンテナと両手のマジックハンド(?)をシルバーで塗装。靴と鼻はダークシーグレーで塗りなおした。
ギャンゴ一番のチャームポイントである瞼と、上唇はエスペリオリティブルー。
口中は赤で、下唇はピンクで、歯と瞳は白で上塗りした。 最後に顔を中心に墨入れをして、全体にフラットベースを吹いて仕上げた。