『ウルトラセブン』(1967年)前半は、前作『ウルトラマン』(1966年)との差別化をはかるためか、巨大化しないエピソードも少なからず見受けられる。
そういう話は、全体に硬質感があって、セブンのハードな世界観とマッチし、独特の良さがあるのだが、再現する側にとっては困りものである。
今回はとりあえず、ホーク1号の合体シーンを見せ場に絞り込んで演出を行った。
冒頭は宇宙ステーションV3のカットから。
写真はいつものように黒背景で照明をサイドから当てて、露出を思い切り落として撮影したものを使用。
その後操演の真鍮線を消して、星を描きこんで宇宙空間を演出した。
次はガソリンスタンドを襲いガソリンを飲むキュラソ星人のカット。
これは食玩をそのまま撮影した。
むしろ食玩は、このシーンをそのままに再現してあるアイテムなので、このカット以外は使いようがないのも事実。
なので2カット目からのキュラソ星人は、HGガシャポンのキュラソ星人を使用している。
3カット目からは、前述したホーク1号の強制合体作戦シーン。
夜間想定撮影で何カットも撮影した、ホーク1号の各機を、それぞれ切り抜いて合成して、合体までの8カットを作った。
今回のホーク1号は、HGメタルメカコレクションのものを使用している。
β号を強制合体させようとしたときの火花や、翼端灯などはフォトショで描画してある。
巨大化したキュラソ星人は、HGガシャポンのものを黒背景で、1/144Nゲージ用の樹木と共に撮影。
燃え上がるカットでは炎や爆発を合成してある。
ここ最近の再現カット数からすると15枚は少なく感じられる人もいるだろうが、このエピソードではこれだけ作るのが精一杯であった。
キュラソ星人
キュラソ星からの逃亡囚人・303号は、バンダイのガシャポンシリーズ「HGウルトラマンコンプリートスペシャル2」のキュラソ星人を使用した。
『光の国から愛をこめて』では、あまりガシャポンを使いたくないというのは、筆者の偽らざる本音でもあるのだが、手元にアイテムがあればあったで、使いたくなるのもまた本音(笑)
という冗談はさておき、このキュラソ星人は、そもそもバンダイのソフビでは発売されていない。
もちろんそれは、本編でセブンとの直接対決が、ほぼないというポイントもあり、過去の歴代メーカーによるソフビ怪獣商品の展開でも、まだ一度もマスプロで商品化されたことがない宇宙人だったりするのである。