「ウルトラ警備隊のメカに、実はモデルがあるのではないか」で言ってしまえば、身もふたもない事例はまだある。
こちらの『サンダーバード』の3号。

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そしてこちらが、『ウルトラセブン』のウルトラホーク2号。

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いや、無粋なことは言いたくないが、これは「意識」はしただろうが、デザイン的に盗用したとかしなかったとかの問題ではないだろう。
『サンダーバード』的には、運用はともかくシルエットは、そもそも1号と3号で被っているという意見もある。

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アオシマ サンダーバード1号プラモデル箱絵

むしろこの、60年代中盤ということで語るのであれば

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アオシマ サターンロケットプラモデル箱絵

こういった、サターンのようなペンシル型のロケットは、宇宙開発ブームの中では典型例ではあったのだから。
確かにサンダーバード3号(と1号)も、ウルトラホーク2号も、ロケット型でありながら、劇中では大気圏内を飛び回っていた一致もあるのだが(これについては後年、成田氏がたいそうお怒りだったという話は聞く)、むしろウルトラ警備隊の場合、証言や立証はされていないが、『サンダーバード』以外からのインスピレーションを汲み取ることができるデザインがある。
それは、この、誰もが知ってるウルトラホーク1号である。

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ウルトラホーク1号 活躍再現

その上で、今度はこちらの写真を見てもらおう。
写っているのは特撮メカではなく、実際に運用されていた戦闘機SAAB 35 Drakenだ。
SAAB 35 Drakenは50年代にスウェーデンで開発され、1960年から20世紀の終わりまで、欧州数か国で運用されていた、超音速要撃戦闘機だ。

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実在する 戦闘機SAAB 35 Draken

どうであろうか。もちろん、設定サイズは大幅に異なるし、何よSAAB 35 Drakenには、合体分離機能などは存在しない。
しかし、機首から伸びるウィングや、当時革新的だったダブルデルタ翼等は、さらにこれを成田氏が幾何学的に因数分解して、曲面を平面構成立体化していたとしても納得させられてしまうほどに酷似している。

心情を汲み取るのであれば、成田氏も己個人の発現と発想だけでは多様性を発揮しづらく、あえて現用戦闘機のデザインに、種を見つけていたとしてもおかしくはない。

そういった諸々を踏まえ、アンダーソン作品メカと円谷作品メカ同士を比較していくと、第二期ウルトラ期になると、続々と「面白い符号」がみえてくるのである。
まずこの画像を見て頂きたい

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