「ようこそ、ウルトラセブン! 我々は君の来るのを待っていたのだ」
「なに!?」
「歓迎するぞ。アンヌ隊員も呼んだらどうだい?」
「君たちの計画は全て暴露された。おとなしく降伏しろ」
「はっはは。我々の実験は十分成功したのさ」
「実験?」
「そうだ。赤い結晶体が人類の頭脳を狂わせるのに、十分効力があることが分かったんだ。教えてやろう。我々は人類が互いにルールを守り、信頼しあって生きていることに目をつけたのだ。地球を壊滅させるのに、暴力をふるう必要はない。人間同士の信頼感をなくせばよい。人間たちは互いに敵視し傷つけあい、やがて自滅していく。どうだ? いい考えだろう」
「そうはさせん! 地球にはウルトラ警備隊がいるんだ」
「ウルトラ警備隊? 恐いのはウルトラセブン、君だけだ」
「メトロン星人の地球侵略計画はこうして終わったのです。人間同士の信頼感を利用するとは恐るべき宇宙人です。でもご安心下さい。このお話は遠い遠い未来の物語なのです。え? 『何故?』ですって? 我々人類は今、宇宙人に狙われるほど、お互いを信頼してはいませんから……」