コスモフリートコレクション バイオドラゴン

続けて、同じセットに同梱されていた、『超電子バイオマン』の母艦、バイオドラゴンの紹介になる。
しかし、このコスモフリートコレクション版バイオドラゴン、少なくとも「この商品枠」では、唯一かつ致命的ともいうべき失敗作であり、トレーディングフィギュアにありがちな「塗装や組み立てなどの当たりハズレ」のレベルではなく「設計段階から全面的に、商品の域に達していない駄作」になってしまっているのである。

バイオドラゴンのフロントビュー

なるほど、まず手にしたときの第一印象は最高であった。時代的にも技術的にも最高峰だったメガハウスの造形と塗装によるバイオドラゴンは、しっかりと完璧な見た目をもたらしていた。

バイオドラゴンのサイドビュー

だがしかし、この時期のバンダイの、もっと言及すると戦隊母艦のデザイン等では、見た目のシルエットはシンプルこの上ないのだが、それが劇的に変形して、見た目をどんでん返しのように変えてみせる事例がいくつかある。

バイオドラゴンのリアビュー

このバイオドラゴンはただの真四角の箱型戦艦デザインからの、どんでん返し風の四方パネル展開による変形での、空母形態が白眉であり、放映当時のDXポピニカ時代から、後のスーパーミニプラ版まで、当然のように「その変形」は重要必須であった。
しかし、バンダイも元々はDXポピニカに搭載する変形ギミックでしかなかった為、このバイオドラゴンでは、上部のパネルが観音開きした後は、前後左右全てのパネルがどんでん返しをして、空母形態になるという、かなり難易度の高い変形が前提で存在し、それをメガハウスは超小型ミニサイズフィギュアで挑戦し、再現してしまったのだ。

変形後のバイオドラゴン

紹介写真でバイオドラゴンに搭載されているのは、付属していたミニチュアのバイオジェット1号と2号である。

変形後のフロントビュー

さすがにメガハウスの変形設計は手が込んであり、元の設定で変形できる部分に関しては、全て変形できるようにしてあった。しかし、これが「大失敗作」の源となった。

変形後のサイドビュー

最初はヒンジの一つがポロリと外れただけだと思った。変形玩具を扱っていれば、ありがちな光景であり見慣れたトラブルだ。すぐそのヒンジにピンを通してハメ直そうとした。
すると、そのヒンジが固定されていたパネルが、一気にバラバラに崩れた。しかもそれが雪崩のような崩壊の連鎖を産んで、結果的に全てのパネルがハズレ落ち、母艦右舷はバラバラになった。
筆者は「一度変形をさせたい」だけであった。なのに、同じ現象が、残りの全パネル可動部でも起きたのだ。ヒンジがハマらず力を加えると、今度は前後のパネルが外れて落ちて、結局、一回変形させようとしただけなのに、ほぼすべてのパーツが、工場での組み立て前の状態に戻ってしまい。しかもその復旧を人力で、一人でやることはほぼ不可能という大事態に陥ってしまった。

変形後のリアビュー

コレは不良品なのか?新品でAmazonで購入したはずだが、中古品をつかまされたのではないか。憤りが隠せなかったが、販売に問い合わせても新品ですという回答が返ってくるし、ネットのレビューを(先に見ておけば良かった)改めてチェックしても、皆さん「バイオドラゴンは少しでも触るとバラバラになってしまい、組み立ても無理です」と評価されておられる。
今回の撮影では、たまたま「商品紹介」と「バンク劇中再現」を、箱型戦艦時と、展開空母時にわけて撮影したので、空母形態は全て瞬間接着剤で固定しているような状態。

それでも、なんとか撮影は無事切り抜けたので、まぁ個人的には良しとしよう。
バイオドラゴンの様々をストレスなく堪能したいなら、筆者は今からでもヤフオクなどで、スーパーミニプラ版をお買い求めすることをお勧めする。

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