「くやしいわね、呑気そうに昼寝なんかして」
「こっちが仕掛けなきゃ、やつはただ寝ているだけだ」
「そんな怠け者な怪獣初めてだわ。のんきねぇ。いつまで寝ている気なんでしょう」
「もう夕方だぁ。ちきしょうこんなやつに付き合ってて……。あぁあ腹減ったなあ……」
「一番星見ーつけた」
「ガヴァドンは星になったのかな……?」
「怪獣が星に? 馬鹿な。そんな馬鹿な……」
「キャップ、パリの科特隊本部からの通信です。通信によると、昨夜の宇宙線の異変はスイスと南アフリカでもあったそうです。その結果、宇宙線に含まれたある種の新元素を含有する放射線と、太陽光線が融合すると、二次元のものが三次元の物体に変動するという」
「なにぃ。じゃあ絵に描いたものが現実に現れるってわけか」
「キャップ、そういえばタダシ君たちが変なことを言ってましたね。あれはムシバの書いた絵だって」
「じゃあ、ムシバが怪獣の絵を?」
「ムシバおめでとう!」
「やったな!ムシバ!」
「ありがとう。みんなのおかげだよ」
「でもさ、白っぽいだけじゃつまんないわ。ねえ、これからみんなでもっとかっこよくしない?」
「よし、やろう。第一寝てるだけじゃ泣けてくるよ」