異邦人はいつでも貴方の隣にいる
上原正三
満田かずほ
的場 徹
「地球防衛軍・ウルトラ警備隊。宇宙人の侵略から地球を守るため、日夜パトロールを続けているのです。ある、風の強い夜のこと……」
「ウルトラ警備隊の方ですね。あの……モロボシ隊員では?」
「俺……? そう、モロボシ・ダン」
「ウルトラ警備隊員としては少し迂闊だったな。相手ははじめから殺意を持っていたんだからな。それにしても、一体何者なんだろう、その大胆な手口といい……。ただの女じゃなさそうだ。それに問題は、なぜモロボシ・ダンを狙ったかだ」
「どこで買ったの?」
「おもちゃじいさんだよ!」
「おもちゃじいさん? そのワッペンも?」
「おもちゃを買うとオマケに付けてくれるんだ」
「お客さまにお知らせします。午前零時の時報とともに、アンドロイドゼロ指令が発令されます。あとしばらくお待ちください」
「貴様は何者だ!? アンドロイドゼロ指令とは何だ!?」
「午前零時の時報とともに、子どもたちのおもちゃが一斉に凶器になるんだ。私のばら撒いたおもちゃがな……。催眠状態に置かれた子どもたちは、私の思い通りに操ることができる。子どもたちが持つ最新鋭の武器は、地球上のいかなる武器よりも強力だ。まして地球の大人たちは、子どもには武器は向けはしないだろう。だから子どもたちは何の苦労もなく、ごく平和的に、東京を、日本を、いや全世界を、たちまち占領してしまうというわけだ。どうです、おわかりかな? ゼロ指令の内容が」
「あのとき、モロボシ・ダンを殺しておけば……」
「もう何もかも終わりです」