では。
「白衣に身をまとった科学者博士」が立ち上げた「未来や宇宙の科学の研究所」で建造された「合体メカのスーパーロボット」を旗印にした、主人公たち「ニヒルやデブ、チビや紅一点等の少年達キャラ」が、宇宙や地底から襲い来る「悪魔の大魔王」率いる闇の軍団と、その最前線で戦いの指揮を執る「女子ファンがキャーキャー騒ぐ、仮面の貴公子の最高幹部」の魔手に、颯爽と立ち向かい、「派手なカラーリングの雄姿」で、「敵を目の前にして仰々しく変形合体」して完成したスーパーロボットが「高らかに名乗りを上げ」た先でピンチを脱し「必殺技を駆使して」戦い、「毎週送り込まれるヤラレ敵メカ」を派手に倒した後は、仮面の貴公子敵幹部が「おのれまたしても! 次こそは必ず!」と捨て台詞を吐いて去っていく。そして、つかの間の休息に、「日常的な笑いやほのぼの」が描かれてオチ。という、お約束とルーティンルールに縛られた「ロボット物」の構成パーツを、どう使えば「愛と正義とロマンと宇宙と愛国と青春とドラマ」の『ヤマト』をつぶせるのか?

そこでは作家論以前の問題として、「今度のロボットアニメは、もうちょっと高い年齢層をターゲットに、富野に好きにやらせてみよう」という上層部の決断と、それをビジネスとして受け止めたうえで快諾した富野監督という構造を大前提にして、ここから先を記していきたい。

アムロ「う……た、立ち上がって……」
ジーン「デ、デニム曹長! て、敵のモビルスーツが動きます!」
デニム「退がれ!ジーン。性能が判らんうちは……」
ジーン「いや、まだよく動けんようです。やります」
アムロ「見てろよザクめ!」
アムロ「……くっ! た、たってくれ! 立てよ!」

次回『シン・機動戦士ガンダム論』。
歴史を変える作品が、とうとう企画骨子が完成し始動する!
君は、生き延びることができるか。

次回「『シン・機動戦士ガンダム論!』第2回 『ガンダム』前夜の1978年・4」

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